元文小判の買取価格

元文小判（げんぶんこばん）は元文元年（1736年）～文政元年（1818年）に鋳造された小判です。

元文小判は当時、悪化していた経済を回復させる目的があり、以前につくられた小判よりも、金の純度を低くしてつくられました。

それだけでなく、元文以前に流通していた、純度が非常に高い慶長小判や享保小判を、両替として回収する意図もあったといわれています。

表面は畳に似た模様や金額を示す壱両の文字、そして扇の中に桐の花が彫られています。

裏面は中心のやや右上に元文時代を示す『文』の文字と、左下には小判を鋳造した職人のサインが一文字ずつ刻まれています。

裏面の文の文字が真書体であることから『真文小判』と呼ばれています。

また後の時代につくられた文政小判にも文の文字が刻まれているため、区別する目的で元文小判を『古文字小判』と呼ぶこともあります。

付加価値の高い小判の買取価格は市場価格や在庫状況によって変化する為、最新の価格については『無料査定のお申し込み』や『お電話(0120-9610-66/受付時間10:00～18:00)』からお問い合わせください。

元文小判の種類と価格

小判の種類によっては、幕府の鋳造場ではなく、佐渡の鋳造場でつくられた特別な小判があります。

佐渡の小判は鋳造数が少ないので、幕府の小判より高いプレミアで取引されることが多いです。

また元文小判には上記の佐渡小判以外にも『偶然大吉』や『献上判』といった、価値が高い種類が複数存在します。

上記の種類以外にも、七福と呼ばれる縁起の良い文字の並びが刻印された小判も鋳造されていますが、市場にほとんど出回りません。

そのため基準の価格が定められていない状態です。

もし七福を見つけることができたら、大吉の刻印や佐渡で鋳造された小判に並ぶほど、高いプレミアで取引されるでしょう。

七福と呼ばれる裏面の刻印は以下の通りです。

『大吉』『小吉』『堺長』『馬神』『久吉』『守神』『久長』

以下が種類一覧となりますが、記載している価格は状態が非常に良い場合での参考買取価格になります。その点ご留意ください。

元文小判 筋当

買取価格	280,000円～

この元文小判は佐渡で鋳造された希少性の高い種類です。

名前にある『筋当』は、小判の裏面の左下に彫られた職人のサインからきています。

佐渡小判は裏面に佐渡の『佐』が彫られていますが、元文小判は佐渡でつくられていてもその文字は彫られていません。

そのため職人のサインである筋当が、佐渡小判であるかを見分ける重要な要素となります。また裏面の刻印以外は通常の元文小判とデザインが同じです。

佐渡小判で筋当のサインがある場合、品質が低いものでも約40万円の値がついたこともあります。

元文小判 筋神

買取価格	245,000円～

元文小判には筋当以外の刻印で佐渡小判と判断できる文字の並びがあります。それが『筋神』です。

筋の部分は筋当と同じですが、こちらは下の文字が神です。文字は異なりますがどちらも佐渡でつくられた小判なので、偽物と判断しないよう注意しましょう。

佐渡で鋳造された小判は希少性が高く、プレミア価格も高くつきやすいですが、元文小判には佐渡同様プレミア価値が高い大吉の小判も存在します。

それにより、佐渡小判であっても筋神の価格が極端に高くはありません。

品質が低いと筋当より少々安価である35万円の値がつけられたこともありますが、かなり状態が良い小判は100万円で取引されたケースもあります。

いずれにしても普通品と呼ばれる、プレミアがつかない元文小判よりは高額の可能性が高いです。

元文小判 偶然大吉（げんぶんこばん ぐうぜんだいきち）

買取価格	315,000円～

宝永小判や文政小判と同じく、元文小判にも『偶然大吉』の小判は存在します。偶然大吉とは偶然裏面の職人のサインが『大』と『吉』でそろった小判のことを指します。

大変縁起が良い文字の並びであるため、現代でも高いプレミアがつきます。

たとえば鋳造年数が短く鋳造枚数が少ない小判や、現存数が極端に少ない小判は、大吉の刻印にプラスして高いプレミア価格で取引されます。

しかし元文小判は約72年の長期間鋳造されていたため、希少性の面でプレミアがつきにくく、偶然大吉でもほかの小判と同じ価格帯であることが多いです。

しかし品質が低い場合でも、佐渡小判よりもやや高額な45万の値がつけられたこともあります。佐渡小判と同様に、見かけたら幸運な小判です。

元文小判 献上大吉（げんぶんこばん けんじょうだいきち）

買取価格	560,000円～

小判の表面には槌目（つちめ）と呼ばれる加工が施されています。槌目とは畳のように小判に横線が複数引く加工のことです。

元文小判の献上判は、この槌目に違いがあります。

線と線の間が広く、目視で線を数えられるような槌目の『荒目』、引っかき傷のように間隔を狭くして線が彫られている『細目』です。

つくられて時期によって、荒目だけの小判や細目だけの小判もありますが、元文小判にはこの2種類のデザインが存在していることがわかっています。

槌目の違いによる大きな価格の変動はあまり見られません。

献上判自体が丁寧な仕上がりで、輝きが美しいことから、普通品といわれる小判より高価である傾向があります。

そのため少し汚れている状態であっても、80万円の値がつけられてこともあります。

元文小判の買取実績（実例）

2024年8月に『渋谷店』にて元文小判をお買い取りしました。上記画像がお買い取りした小判の写真となります。

お品物に刻まれた刻印は『守亦』。こちらは特に高い価値がつく“七福”関連の刻印ではありませんが、近い時期の他の小判でもよく見られる2字です。

そのため今回は、通常の元文小判の価格をもとに、小判の保存状態や、24年8月当時の金相場に照らし合わせて価格の査定をさせていただきました。

ちなみに画像後方にある鑑定書は、日本貨幣商協同組合発行の『貨幣鑑定書』となります。これは偽物が多く出回りやすい小判では特に重要な付属品です。

小判の種類や保存状態次第では、これがないせいで買取が難しくなってしまう……なんてケースも。

今回はしっかり鑑定書もお持ち込みいただいたため、小判自体の状態も加味し、最終的は18万円でお買取させていただきました。

なお、査定価格や買取価格は金相場によって毎日変動します。今回の買取実績も参考価格としてお考えください。

お手持ちの品物の買取価格が気になるという方は、まずは『無料査定のお申し込み』や『お電話(0120-9610-66/受付時間10:00～18:00)』までお問い合わせくださいね！