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元禄丁銀の買取価格は?歴史や価値を解説します!

元禄丁銀アイキャッチ

元禄丁銀(げんろくちょうぎん)は日本の江戸時代に流通した貨幣のひとつです。

元禄丁銀の貨幣の歴史と価値には多くの方々が興味を持っており、特に買取価格を知りたいと考える方も少なくありません。

そこで本記事では、元禄丁銀の価値や歴史的背景についてお伝えしていきます。

古銭に興味のある方や保管している元禄丁銀を売ろうと考えている方は、ぜひ最後までお付き合いください。

元禄丁銀とは?

元禄丁銀とは日本の江戸時代に鋳造された銀貨の一種で、1695年10月22日(元禄8年9月15日)から鋳造が開始、1695年11月3日(元禄8年9月27日)から流通されたと言われています。

なお、江戸時代においては慶長丁銀(けいちょうちょうぎん)に次ぐ二番目の秤量貨幣(しょうりょうかへい)として位置づけられていました。

秤量貨幣とは必要な質量だけ切って使われる貨幣のことで、元禄丁銀も重量を計ることによってその価値が決められていました。

また、元禄丁銀は縦型に独特のデザインが施されており、当時の職人の技術力もわかります。

このように元禄丁銀は、江戸時代の秤量貨幣や銀の使用といった歴史的背景を知る古銭といえるのです。

そもそも丁銀ってなに?

丁銀とは室町時代後期から明治維新まで日本で広く流通した銀貨です。

特に江戸時代においては丁銀の鋳造が隆盛を迎え、商業取引に重宝されました。そして、慶長丁銀から安政丁銀に至るまで、江戸時代では11種類もの丁銀が鋳造されたと言われています。

また、丁銀は現代の通貨とは異なる扱いがされていました。

具体的には、銀貨1枚1枚に『◯◯円』と貨幣価値が設定されているのではなく、前述のとおり銀の重さによって決まる「秤量貨幣」だったことがあげられます。

くわえて、「金銀図録(1810年)」という古い書物によると、棒状の銀である「鋌銀(ちょうぎん)」が後に「丁銀」となった経緯が記されています。

丁銀はナマコのような形状をしており、重さは一定ではありません。ひとつあたり約120グラムから約180グラムで、支払う金額にあわせて適切な重さになるように切り取って使われていました。

しかしながら、実際には小さな銀貨である豆板銀が丁銀と一緒に使用され、丁銀を切り分けることはほとんど行われなかったようです。

元禄丁銀の特徴

前述の元禄丁銀はいびつな棒状をしており、両端に刻まれた「元」という刻印が特徴です。

また、元禄丁銀の前に流通した慶長丁銀では、銀の割合が80%だったのに対して、元禄丁銀は銀が64%と減少しています。

残りの36%は銅だという説もありましたが、明治時代の造幣局によって行われた分析によると、少量の金や鉛も含まれていたこともわかっています。

さらに、江戸時代の財政経済に関する史料集である「吹塵録(すいじんろく)」によると、元禄丁銀の鋳造量は丁銀と豆板銀を合わせて40万5850貫(約1,514トン)ほどだったそうです。

それに対して、慶長丁銀は約94年間で推定120万貫(約4,500トン)なので、流通量の視点から、元禄丁銀は慶長丁銀よりも希少価値が高いと言われています。

元禄丁銀が生まれた背景

元禄丁銀は、日本において貨幣制度の改革や財政の安定化を図るために作られたという説が有力です。

江戸時代初期は、日本国内では石見銀山や生野銀山、多田銀山などの主要な銀山が活況を呈していた時代ともいえます。

日本の銀の産出量は世界的に見ても一、二位を争うほどだったようです。この多くの銀はポルトガルやオランダ、中国、朝鮮との貿易の支払いに使われていました。

しかしながら、貿易の対価として海外に大量の銀を流出させたため、国内の銀は次第に減っていきます。

また、この頃の江戸時代では平和な時代が続いたため、全国的に市場が発展しました。これにより経済も発展し、必要な通貨が増えていったのです。

結果として、国内の銀はさらに不足するという事態に陥ってしまいます。

そこで、幕府は経済発展に伴う金銀の流出や鋳造数の減少に対処しようと動きます。

通貨不足と財政危機を同時に解消するため、銀貨の銀の割合を減らし、同じ量の銀でより多くのお金を作るという策に出たのです。

その結果、生まれたのが元禄丁銀と言われています。

慶長丁銀と比べて銀の割合が低いのは、同じ量の銀で多くのお金を作ることを狙った結果なのかもしれません。

元禄丁銀の刻印と価値

元禄丁銀はナマコのような特徴的な見た目だけでなく、独自の刻印も多くの注目を集めていています。

ここでは3種類に大別し、刻印の持つ価値を紹介します。

通常

一般的な元禄丁銀には6つ程度の極印(ごくいん)が刻まれており、「寶(ほう・たから)」「大黒」「常是(じょうぜ)」などの文字が見られます。

12面丁銀

元禄丁銀の中には12の極印が入ったものも存在します。「12面丁銀」と呼ばれ、このタイプの元禄丁銀は数が少ないです。

したがって、通常の元禄丁銀よりも高い買取価格がつくことが多いです。

12面大黒丁銀

12個の大黒像が刻印された元禄丁銀は「12面大黒丁銀」と呼ばれ、祝賀の際に使用される特別な銀貨と言われています。

この12面大黒丁銀は特に現存数が限られており、希少価値が非常に高いです。そのため、古銭コレクターの間で需要が高く、買取価格も一般の元禄丁銀よりも高値が付きやすいです。

元禄丁銀を高く買取してもらうためには

元禄丁銀に限った話ではありませんが、銀貨の買取価格には保存状態が大きく影響します。

たとえば、酸化やカビなどの劣化が見られると、価値は低下しやすいです。珍しい刻印が入っていたとしても、保存状態が悪いことで買取価格がつかないこともありえます。

そのため、保管の仕方にも注意が必要です。

具体的には、銀貨をビニール袋に入れて保管すると、袋の素材が銀貨に悪影響を与えるため避けた方が無難です。

その代わり、専用のコインブックやコインホルダーを使って保管することをおすすめします。

また、湿気の多い場所でも銀貨を長期間保管すると、酸化やカビの原因になります。湿気の少ない場所で保管するように心掛けましょう。

買取業者は銀貨の状態が悪いからといって必ずしも買取を断るわけではありません。しかしながら、保存状態が良いほど買取価格は高くなる傾向にあります。

ほかにも、無理に汚れを落とす必要はないことも覚えておいてください。

買取に出す前にきれいにしたいと思うかもしれませんが、実際には古銭は汚れていても無理に磨く必要はありません。

古銭を高く売るためには、できる限り鋳造当時の状態を保つことが重要です。洗ったり磨いたりすることで傷がついてしまうと、本来の価値を損なうリスクがあります。

貨幣の汚れが気になる場合でも、そのままの状態で鑑定してもらってください。

元禄丁銀の買取を検討している方は、劣化したり傷つけたりする前に買取に出すことが得策です。

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