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天皇陛下御即位記念10万円金貨、天皇陛下御在位10年・20年記念の1万円金貨、一万円札の裏面。
これらの貨幣の図柄に共通して起用されている鳥「鳳凰」は、中国神話の伝説がルーツとなっている霊鳥です。
実在しないとされていながらも、多くの貨幣で肖像になっているこちらの鳥は、一体どのような動物なのでしょうか。
前2世紀ごろ、中国が漢の時代に作られた最古の類語辞典によると、頭は鶏、頷は燕、頸は蛇、背は亀、尾は魚で、色は黒・白・赤・青・黄の五色で、高さは六尺程と書かれておりました。
後世で、中国と日本でその大きさ(デザイン)に変化が生じましたが、いずれも、五色絢爛な色彩、羽には孔雀に似て五色の紋があり、声は五音を発するとされる部分の魅力は共通であるそうです。
日本には古く古墳時代に伝来したとされ、奈良県にある法隆寺、京都府にある鹿苑寺金閣などの様々な彫刻や絵に描かれています。同じく京都府にある、平安時代中期の1053年に関白の藤原頼通が建立した平等院鳳凰堂(江戸時代まで名称は阿弥陀堂)も、この鳥がもとになっております。
装飾やシンボルだけでなく東アジア全域にわたって、物語・説話・説教などで登場している鳳凰ですが、メインとして権力や永遠の命の象徴とされています。
また、天帝の使者とも称され、徳の高い君子が天下を納めると、どこからともなく飛んでくるとも言われており、その昔、中国では、聖帝と評される黄帝と舜の治世のときに、鳳凰が宮廷に飛来したと伝えられているのだとか。
このように、鳳凰は、もっとも徳が高く、優れた君子の出現を予兆する、とても縁起の良い生き物です。
天皇陛下の催しに関する記念金貨や、日本を代表する通貨にふさわしい絵柄であると同時に、人々に幸せや喜びをもたらすという意味で最適なモチーフなのではないでしょうか。
皇太子殿下御成婚を記念して発行された5万円金貨にも鳥があしらわれております。
こちらは鳳凰でなく、二羽の鶴。皇太子の婚約を詠う和歌にちなんでデザインされました。
鶴は古来より長寿を象徴する吉祥の鳥として有名ですが、夫婦仲が睦まじく、夫婦になったら一生を連れ添うといわれていることから、夫婦ヅルなどとも呼ばれています。
夫婦の仲が円満に続くようにという願いもこめて、御成婚記念にぴったりな鳥といえますね。
いかがだったでしょうか。
日本の記念硬貨や金貨は外国の金貨とちがい人物をそのままモチーフにすることはあまりありません。
海外では人物そのものがコインにデザインされていますが、日本では硬貨類は直接触れるもので手垢などで汚れてしまうのは畏れ多いという考えかたのようです。
今回は日本の記念金貨に多く使われている鳳凰と鶴についてお話しました。
鳥をモチーフとした金貨は、どこまでも飛んでゆく姿が可能性広く、明るく、運気まで上がるような気分になる不思議な魅力があります。
そして日本の記念金貨の特長はデザイン性のみならず地金価値も大変高く、純金製の記念金貨は金相場高騰により、価値があがりましてお買取り価格が高くなります。
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2019年4月23日
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