アテネ2004オリンピック競技大会公式記念プルーフ金貨 3種セットとは?発行背景やデザインを解説

アテネ2004オリンピック競技大会公式記念プルーフ金貨は、2004年にギリシャ・アテネで開催された夏季オリンピックを記念して発行されました。オリンピックの歴史を語る上でははずすことができないアテネならではの、特別なデザインや魅力を持つ金貨です。
本記事では、アテネ2004オリンピック競技大会公式記念プルーフ金貨の概要と発行背景、デザインを解説します。
アテネ夏季オリンピック競技大会とは
アテネ夏季オリンピックは、2004年にギリシャの首都アテネで開催された近代オリンピック100周年を記念する大会です。ギリシャは古代オリンピック発祥の地としてよく知られていますが、近代オリンピック第1回大会が開催された地でもあります。
アテネ夏季オリンピックは第1回以来2度目かつ108年ぶりのアテネでの開催、さらに21世紀初の夏季オリンピックとして、さまざまな要素から記念的な大会として注目を浴びました。
記念金貨の概要とデザイン
ギリシャ国立銀行では、アテネ夏季オリンピックを記念して「アテネ2004オリンピック競技大会公式記念コイン」を販売しました。
金貨は第一次販売と最終販売の2回に分けて、それぞれ異なるデザインが3種類ずつ販売されています。金貨の額面は全て100ユーロ、発行枚数は各種類2万8,000枚です。
金貨の規格はいずれも、品位99.9%、重量10.0g、直径25.0mmで、販売価格は各8万1,900円です。第一次販売と最終販売でそれぞれ3種類の金貨セットも販売されており、こちらの価格は24万5,700円です。
金貨の裏面は、全てアテネ夏季オリンピックの公式ロゴであるオリーブの冠とオリンピックシンボルというデザインで共通しています。
また、表面のデザインは、全てオリンピックやギリシャの歴史に関わりがある建物がモチーフになっています。
では、6種類それぞれのデザインを見ていきましょう。
第一次販売

第一次販売分は、アテネ夏季オリンピック開催前の2004年1月に発売されたものです。
そんな第一次販売分で発行された3種類の金貨には、ギリシャやオリンピックにまつわる以下の建物がデザインされています。
古代オリンピック発祥の地であるオリンピアは、全能の神ゼウスに捧げられたゼウス神殿があり、その信仰で栄えた古代都市です。
オリンピアの地で4年に1回行われていたゼウスに捧げる祭典競技が、古代オリンピックのはじまりだといわれています。
金貨には、古代オリンピックの競技場への入口に設置された「クリプト」と呼ばれるアーチ型のトンネルのデザインが施されています。
クノッソス宮殿とは、古代ギリシャの青銅器時代にエーゲ海に浮かぶクレタ島で栄えた、ミノス文明最大の遺跡です。
この巨大な建造物は、ギリシャ神話の舞台としても知られています。金貨には、牛のフレスコ画で知られる宮殿北側の入口がデザインされています。
1896年にアテネで開催された、第1回近代オリンピックの会場であるパナシナイコスタジアムがモチーフです。このスタジアムは、2004年大会でアーチェリー競技やマラソンのゴールとして使用されました。
馬蹄形の古代競技場を模した競技場内部が、金貨に刻まれています。
最終販売

最終販売では、以下の3種類のプルーフ金貨がオリンピック直前の2004年7月に販売開始されました。
最終販売分の金貨には、オリンピックとギリシャの歴史にまつわる建物がデザインされています。
1896年の第1回近代オリンピック開催時に選手村や競技場として使用された、ザピオン国際展示場の正面がデザインされています。
現在も、この建物にはオリンピック期間中に紛争当時国へ休戦を働きかける、国際オリンピック休戦センターが設置されています。
アクロポリスとは「高い丘の上の都市」という意味を持つ、アテネを見下ろす丘のことです。
金貨に刻まれているのは、古代ギリシャ美術の最高傑作と称されるパルテノン神殿の外観です。
このアクロポリスを象徴する建物には、アテネの守護神であるギリシャ神話の女神アテナが祀られています。
アテネ学士院とは、1926年に開院した近代ギリシャ最高の知的機関です。
この建物は1887年に完成したもので、右側にはプラトン、左側にはソクラテスとギリシャを代表する哲学者の坐像が並んでいる正面階段が金貨にデザインされています。
アテネ2004オリンピック競技大会公式記念プルーフ金貨の魅力
アテネ夏季オリンピックは、21世紀最初の夏季オリンピックという意味で記念となる大会です。
加えて古代オリンピック発祥の地であり、近代オリンピック第1回大会が開催されたアテネは、オリンピックの歴史と密接なつながりがある重要な場所といえます。
この地で開催されるオリンピックを記念したプルーフ金貨は、オリンピックの起源やギリシャ文明の歴史・文化を象徴するデザインが施されているのが大きな特徴です。
鋳造したギリシャ国立造幣局の優れた技術力による、美しいプルーフ加工と格式高いデザインに仕上がっている点もこの金貨の魅力でしょう。
まとめ
オリンピックを語る上ではずすことができない街であるアテネ。
この地で開催された夏季オリンピックの記念金貨は、オリンピックを象徴するデザインが施されている特別なものです。オリンピックのファンのみならず、金貨コレクターにとっても価値のある金貨でしょう。
アテネ夏季オリンピックを記念する金貨を手に取って、オリンピックやギリシャの歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。