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御即位記念の10万円金貨。天皇陛下の即位を記念して発行された金貨ですが、この即位に関連する国事行為の儀式についてご存知でしょうか。
2019年に年号が、平成から令和へと移り変わりました。
第125代明仁天皇が退位されて上皇となり、皇太子の徳仁様が第126代天皇として即位されたからです。
この皇位継承に際して、天皇の即位の礼というものが国事として必ず執り行われます。
「剣璽等承継の儀(けんじとうしょうけいのぎ)」「即位後朝見の儀(そくいごちょうけんのぎ)」「即位礼正殿の儀(そくいれいせいでんのぎ)」「祝賀御列の儀(しゅくがおんれつのぎ)」「饗宴の儀(きょうえんのぎ)」 という5つの儀式が行われますが、この中でも特に重要な扱いをされているのが、「剣璽等承継の儀」と「即位礼正殿の儀」です。
それぞれ簡単に解説しますと、「剣璽等承継の儀」とは皇位を継承したことを確認する儀式、「即位礼正殿の儀」とは 天皇の即位を国内外に披露するという、即位の礼の中心的な儀式です。
令和の儀礼の場合ですと、現天皇陛下が即位された令和(2019)元年5月1日に、「剣璽等承継の儀」が行われ、三種の神器のうちの剣(つるぎ)と曲玉(まがたま)を受け継ぎ、同年10月22日に「即位礼正殿の儀」が行われ、新天皇に即位したことを国民と世界に向けて宣言しました。
なぜ同日ではなく半年近く期間を空けて、皇位継承とお披露目が別に行われるかというと、背景として考えられるのは、代替わりの儀式などを定めた旧皇室令の「登極令」(1909年制定)になります。
明治時代にこの法令が制定されて以降、即位の礼と大嘗祭は近い月日で実施されてきました。「大嘗祭」とは新天皇が神々に新穀をお供えし、国家・国民の安泰と五穀豊穣を感謝し祈る儀式で、7世紀以来ずっと11月に実施されていて、必然的にそれに先立つ即位の礼は、10月に行われるケースが多くなっているのです。
そしてもう1つ、日本国政府が国家として承認している、190か国以上の国々や機関から国王や元首、各界代表者ら約2000人に招待状を出して参列してもらうからです。これだけ多くの重要人物が一堂に会するのですから、事前のスケジュール調整や準備期間が必要となります。
また即位の礼において、皇族の服装は儀式によって異なり、皇位継承の儀式ではえんび服を着用して洋装をするのに対し、即位礼正殿の儀では束帯、十二単という平安調の装束姿で臨まれます。
こうした和様装束を即位式で着用するようになったのは、明治天皇以降のことで、それまでは「礼服(らいふく)」という中国風の装束や冠が用いられていました。
これは古代にもっとも派手に祝祭を行っていた中国を模倣していて、当時としてはハイカラかつ最先端のやり方だったのですが、明治維新とともに王政復古をしたことで『中国風以前の日本に帰ろう』という機運が高まり、和風のスタイルへと変化しました。
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