オランダ ダカット金貨の買取価格一覧
この1ダカット金貨は、貿易用に1817年から鋳造されました。1854年には、2ダカット(6.988g)も作られています。 純度は98.3%です。 表面には、右手に剣、左手に矢をもっている騎士がデザインされ、裏面は、スクエアに装飾された碑文が記されています。
オランダ 1ダカット金貨
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オランダ ダカット金貨とは?歴史やデザインを解説
ヨーロッパでは、かつてダカット金貨という通貨が国際通貨として使用されていました。
貿易で使われるダカット金貨はヨーロッパのおよそ30か国で発行されており、各国で異なる純度やデザインの種類豊富な金貨が存在しています。
本記事では、その中から17世紀~18世紀にかけて黄金時代を築いたオランダのダカット金貨を紹介します。
ダカット金貨の歴史
ダカット金貨とは、中世から近代にかけてヨーロッパで普及していた金貨です。
ダカット金貨という名称は、ラテン語で「公国」や「公爵」を意味する「Ducatus」が由来となっています。
1284年にはじめてダカット金貨を発行したのはヴェネツィア共和国で、以来西ヨーロッパを中心に貿易用の国際通貨として広く流通しました。
そのため、西ヨーロッパの約30か国でダカット金貨が発行されています。
ダカット金貨の起源であるヴェネツィア共和国では、発行から国が滅亡するまでの約500年間発行が続きましたが、その間ほとんど重さやデザインが変わりませんでした。
その理由は、国際通貨としての信用性を保障するためだといわれています。
ダカット金貨の特徴
西ヨーロッパの多くの国で発行されたダカット金貨は、発行国や発行年で異なるデザインがあり、種類が豊富です。
また、発行されている金貨の単位や金の純度、発行枚数なども国や時代によって違いがあります。
ダカット金貨にはその国の元首や騎士がデザインされるので、デザインを見ればどの国と年代で発行されたかを判別できるでしょう。
国際貿易の基本通貨として使用されていたダカット金貨以外にも、復刻版または記念硬貨として発行されているタイプも存在しています。
これらの中には刻印が古い年代でも製造は比較的新しい金貨も含まれており、一口にダカット金貨と言っても非常に多くの種類が存在しているのです。
オランダ ダカット金貨とは
オランダの1ダカット金貨は、1586年にはじめて発行されました。
17世紀~18世紀にかけてのオランダは、経済的に繁栄した、いわゆる黄金時代でした。
この時代には多数のダカット金貨が流通しており、当時の金貨は歴史的にも価値が高いとされています。
純度が98.3~98.6%と高い点もオランダのダカット金貨の特徴で、貿易用の通貨として価値と信用性が高く、人気もありました。
現在もオランダのダカット金貨は収集目的で買い求めるコレクターはもちろん、投資家にも投資対象として取り扱われる金貨です。
また、1854年には2ダカット金貨も発行されています。
オランダの王立造幣局では現在も記念硬貨としてダカット金貨を発行しており、歴史あるデザインはそのままに、最新の鋳造技術で発行が続けられています。
オランダ ダカット金貨のデザイン
オランダのダカット金貨の表面には、右手に剣、左手に矢を持った騎士がデザインされています。
騎士の周囲には、「小さなものも調和で大きくなる」と言う意味を持つラテン語の成句「CONCORDIA RES PARVAE CRESCUNT」と発行年が刻まれています。
裏面に記された碑文には、「MO. AUR. REG. BELGII AD LEGEM IMPERII.」と記されています。
これはラテン語で「ベルギーの金の鋳造は帝国の法に従って」という意味で、オランダのダカット金貨に多く見られる文言です。
オランダのダカット金貨は上記の騎士立像のデザインがほとんどです。
ただし、1800年代に発行されたダカット金貨には、フランス皇帝ナポレオン3世の父でホラント国王のルイ・ナポレオンをデザインした物も存在しています。
貿易用の金貨として長く同じデザインで発行されていたオランダのダカット金貨ですが、1960年にデザインが一新されました。
旧デザインでは、現在のオランダとベルギーにまたがるネーデルラント連邦共和国の7つの州を意味する7本の矢を持つ騎士がデザインされていましたが、新デザインでは矢が5本に変更されています。
技術向上により鏡面仕上げを施したプルーフ貨幣で製造されており、美しいデザインに仕上げられています。
その他の国のダカット金貨
前述のとおり、ダカット金貨はオランダ以外にも多くのヨーロッパの国々で発行されています。それぞれの国で異なるデザインが施されており、希少性も異なります。
発行枚数が少ない国のダカット金貨は希少価値も高い傾向にあります。
たとえばドイツで1737年に発行されたカール5世とレーゲンスブルクの街並みが描かれたダカット金貨は、わずか16枚しか発行されていないため、非常に希少価値が高いといえるでしょう。
発行当時の元首がデザインされているダカット金貨には、イタリアではイタリア国王のヴィットリオ・エマヌエーレ3世。
オーストリアではオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世など、歴史に名を残す人物が多く採用されている点も特徴的です。
まとめ
ダカット金貨は、ヨーロッパの30か国以上で発行された貿易用の通貨です。
オランダのダカット金貨は純度が高いことに加えて、17世紀~18世紀にかけての黄金時代に繁栄した歴史からも、価値の高い金貨として収集・投資対象として注目されています。
ダカット金貨は多くの国で長期間に渡って発行されているため、国や時代によって大きく異なるデザインが施されています。
その国の歴史や時代背景を垣間見ることができるダカット金貨で、ヨーロッパ各国の貿易の歴史や文化を感じてみましょう。