未来を先取りしていた大阪万博

テーマに「人類の進歩と調和」を掲げ、1970年3月5日から9月13日まで行われた日本万国博覧会、通称大阪万博。万博のことを知らない人も、太陽の塔を知っている人は多いはず。
そう、あの天才芸術家・岡本太郎氏が手掛けた太陽の塔は、大阪万博のシンボルマークとして造られた施設だったのです。
この大阪万博はアジア初にして日本初となる国際博覧会で、その規模は当時史上最大でした。会場ではリニアモーターカーやテレビ電話、電気自動車、ファミリーレストランといった、現在普及しているものが初めて登場。
多くの人が未来への期待に胸を膨らませたことでしょう。来場者は6421万8770人にものぼり、こうした国際博覧会のなかで初の黒字だったということです。
大阪万博の開催を記念して造られた小判!
そんな大阪万博を記念してコインやメダルが発行されましたが、なんとそれだけでなく小判まで制作されていたのです。
それがこの、EXPO'70記念小判です。ここで掲載しているのは純金の小判ですが、そのほかに銀と白銀の小判もありました。
この純金の小判の表面には「千両」と「太閤」の文字が。「千両」とはいったいいくらくらいを示すのか?一両は約75,000円~30万円まで諸説ありますが、ここでは一番値段が低い75,000円を一両だとします。
そう考えると、小判一枚で7,500万円!!なんとも景気のいい金額ですね!
ではもうひとつの「太閤」について。太閤とは平安時代には摂政(せっしょう)や太政(だいじょう)大臣に対する尊称でした。後に、豊臣秀吉が長男・鶴松の死後、養子に迎えた甥の秀次に関白を譲ったあと、自ら好んで太閤と称したので、太閤は秀吉の尊称になったと言われています。
ということは、EXPO'70記念小判は豊臣秀吉に献上する小判だったのでしょうか?なんて考えてみるのも楽しいですね。
ちなみに裏面には「開運小判」「OSAKA JAPAN EXPO'70」「日本万国博覧会」の文字が刻まれています。
直径70mm、重量30gあるズッシリとしたこの小判。万博のお土産と呼ぶにはちょっとゴージャスすぎる代物です。