昭和天皇と香淳皇后ってどんな人だった?
昭和という激動の時代を象徴する存在であるこの2人。昭和天皇と香淳皇后は共に、歴代天皇・皇后のうち最長在位そして最長寿でした。
2人はとても仲睦まじく円満な夫婦で、昭和天皇は香淳皇后のことを「良宮」(ながみや)と呼び、一方の香淳皇后は昭和天皇のことを「お上」と呼んでいました。当時の男女としては珍しく手をつないで散歩をしたりもしていたとか。
また昭和天皇は香淳皇后に爪を切ってもらっていたというエピソードもあったり、あまり揉めていたような話は出ていないので、どちらかといえば尊大ともいえる性格の昭和天皇と、おおらかでおっとりとした性格の香淳皇后は相性が合っていたのかもしれません。
しかし2人の関係もすべてが順風満帆だったというわけではなく、かつては婚約破棄の危機もあったそうです。それは宮中某重大事件と呼ばれる出来事で、事の発端は久邇宮良子女王(後の香淳皇后)が皇太子妃に内定後、家系において色覚異常の遺伝が発覚したことでした。
他の女性を推薦したいという思惑を持っている勢力がこのことをリークし、子孫にも遺伝していく可能性が指摘されたため、元老の山縣有朋らを中心に、香淳皇后に婚約辞退を迫る事態に発展。このことで宮中のみならず、政界や世の中を巻き込んで大騒動となってしまったのですが、最終的には昭和天皇の意思が固く、当初の予定通り婚約が継続されることとなりました。
こういった紆余曲折を経て、昭和49年に結婚50周年を迎えられた記念として発行されたメダルが、金婚式記念金貨なのですからそういった意味ではとても感慨深い金貨ですね。