庄内一分銀(しょうないいちぶぎん)とは天保8年(1837年)~安政元年(1854年)に鋳造された銀貨です。庄内とは現在の山形県の地名です。
庄内藩内でも『酒田』と『鶴岡』で裏面の刻印に違いがありますが、価格には影響していません。
当時は純度の高い天保一分銀と、純度の低い安政一分銀の二種類が流通していました。そこで庄内藩は純度の高い天保一分銀を少しでも多く藩内で確保するために、天保一分銀に『庄』の字を刻印し、庄内藩だけで流通するように仕向けました。
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逆桜とは?
ほとんどの一分銀には、必ず一ヵ所『逆桜(ぎゃくざくら)』と呼ばれる特殊な刻印があります。しかし同じ時代につくられた一分銀でも逆桜の位置が異なるものもあります。
逆桜とは銀貨の枠に彫られた桜の刻印の向きが、ほかの桜と逆さに彫られている状態のことです。規則正しい桜の並びのなかに、ひとつだけ傾いたように見えるので簡単に見分けられます。
しかしまれに両面に逆桜がないレアな一分銀も存在します。この一分銀はコレクターからの需要が高く、同じ特徴の一分銀でも、両面逆桜なしのほうが高価で取引されています。
庄内一分銀かどうかの見分け方
庄内一分銀かどうかを見分けたい時は表面と裏面の刻印をご確認ください。
表面の『分』と『銀』の文字の右側に『庄』の字が刻印されていて、裏面の左下の桜付近に『Y』に似た模様が刻印されている一分銀が庄内一分銀になります。
庄内一分銀の種類と価格
庄内一分銀は天保一分銀に庄の字を刻印した銀貨なので、基本的には刻印を打つ前の銀貨の質で価格が異なります。ここでは庄内一分銀なかでもレアで高額な種類の見分け方と価格をご紹介します。
しかし庄内一分銀は表と裏の両方に逆桜がない希少で高価な種類が現在まで確認されていません。逆桜による価値の変動がない一分銀です。
以下が種類一覧となりますが、記載している価格は状態が非常に良い場合での参考買取価格になります。その点ご留意ください。
庄内一分銀 跳分(しょうないいちぶぎん はねぶん)
跳分とは、一分銀の表面の『分』の一画目が上に跳ねるような書体のことです。
本来跳ねるはずのない部分が跳ねているので、古銭に詳しくない人でも見てすぐに違いがわかります。
庄内一分銀に限らず、跳分の一分銀は価値が高い傾向があります。もともと希少性が高い『庄』が刻印された庄内一分銀は、跳分があるものとそうでないものと比べ、約2倍の価格の差がつくこともあります。
庄内一分銀 跳分長柱(しょうないいちぶぎん はねぶんちょうちゅう)
庄内一分銀 跳分長柱は前述の跳分に『長柱』の特徴が組み合わさったものです。『長柱』とは、裏面の『座』の『土』の縦線が、上方向に長く伸びている特徴のことです。
その長さは、土の上にある口と人の字と同じ高さです。上に突き抜けるような長さは、かなり目立つためすぐにわかるでしょう。
跳分だとわかったら忘れずに裏面も確認してください。跳分だけと長柱の有無でかなり価格が変わってきます。