南鐐二朱銀(なんりょうにしゅぎん)は、江戸時代に流通した秤量貨幣の一種です。明和9年(1772年)~文政12年(1829年)に鋳造されました。
表面には、南鐐二朱銀8枚で小判1枚と交換できるといった意味の『以南陵八片換小判一両』が彫られています。裏面は幕府公式の鋳造場でつくられた証として、『銀座常是』と彫られています。
南鐐とは『質が高い銀』を意味し、銀の純度が純銀に近いことも特徴のひとつです。
南鐐二朱銀はつくられた時代により新と古で名称が異なります。明確な線引きは人によって異なりますが、1772年~1824年までの南鐐二朱銀は『古南鐐二朱銀』、1824年以降の南鐐二朱銀は『新南鐐二朱銀』とわけられています。
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南鐐二朱銀の種類と価格
古南鐐二朱銀は約100年の間に特徴が少しずつ変わります。『明和型』『中間型』『寛政型』の3種類に分けられ、それぞれ価格が異なります。
また上記の3種のなかで『大型』に分類される古南鐐二朱銀は、通常の型より高価です。大型は両面の枠にある丸い刻印がすべて確認できるほどの大きさです。
一方、新南鐐二朱銀は大きさの違いはありません。しかし状態によって価格は変動します。
以下が種類一覧となりますが、記載している価格は状態が非常に良い場合での参考買取価格になります。その点ご留意ください。
古南鐐二朱銀 明和型(こなんりょうにしゅぎん めいわがた)
明和型の買取価格 |
30,000円~ |
明和型大型の買取価格 |
100,000円~ |
古南鐐二朱銀 明和型は明和9年につくられた初期の古南鐐二朱銀を指します。
もし二つの古南鐐二朱銀を見比べる機会があれば、丁寧にやすりがけされて、全体の文字が丸い形のほうが明和型の可能性が高いといえます。
しかし1枚のみの状態で判断するのは非常に難しいでしょう。
古南鐐二朱銀 中間型(こなんりょうにしゅぎん ちゅうかんがた)
中間型の買取価格 |
30,000円~ |
中間型大型の買取価格 |
80,000円~ |
古南鐐二朱銀 中間型は明和型と寛政型の中間の時代につくられた古南鐐二朱銀を指します。
中間型には明確な年代が定められていません。そのため3種の古南鐐二朱銀の分類のなかで最も見分けることが難しいといえるでしょう。
また中間型特有の特徴も明確ではないため、保有している古南鐐二朱銀が明和型でも寛政型でもない特徴なら中間型の可能性が高いといえます。
古南鐐二朱銀 寛政型(こなんりょうにしゅぎん かんせいがた)
寛政型の買取価格 |
25,000円~ |
寛政型大型の買取価格 |
100,000円~ |
古南鐐二朱銀がつくられた後期にあたる時代のものを寛政型と呼びます。明和型や中間型よりもやや小ぶりで、側面にやすりの跡があることが寛政型の特徴です。
新南鐐二朱銀(しんなんりょうにしゅぎん)
新南鐐二朱銀は1824年以降につくられた南鐐二朱銀を指します。大きさや重さは古南鐐二朱銀とほとんどかわりません。また表面と裏面に描かれた文字も変わりません。
古南鐐二朱銀に比べ、新南鐐二朱銀のほうがやすりがけが荒く、表面がざらざらしています。