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経済

日本にも鉱山資源はある? 不足する資源から貴金属の今後を考える

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ここ数年、金の価格が上昇していて、連日のように過去最高価格が更新されています。
これには、世界情勢が不安定なことや円安などさまざまな要因がありますが、貴金属の需要に対して供給量が減少しているのも要因のひとつです。

こちらでは、日本や世界の鉱山資源と、貴金属の今後について解説しています。

1. 鉱山資源とは?鉱産資源との違い

鉱山資源とは地下や地表に存在する鉱物資源全般です。
鉱山資源は主に金属鉱石、非金属鉱物、エネルギー資源(石油、天然ガス、石炭など)に分類されます。

同じような資源に「鉱産資源」がありますが、若干意味が異なります。

・鉱山資源(Mineral Resources)
鉱山資源は地下または地中、地上に存在する鉱物資源全般です。

金属鉱石や非金属鉱物、エネルギー資源(石油や天然ガス)、塩、石炭、石灰岩などが含まれます。
採掘前に地下構造や岩石の性質を調査し、それを基に鉱床、地下水、地盤などを評価する「地層評価」をおこなうのが一般的です。

・鉱産資源(Mineral Deposit)
鉱産資源は特定の限られた地域内で見つかる鉱物資源です。

簡単にいえば、鉱山資源は地下や地上のあらゆる鉱物資源を指し、鉱産資源はその中で特定の鉱床や鉱石の存在が確認され、物理的・経済的に採掘可能な地域の資源です。

鉱産資源が特定の地域に見られるのは、鉱物により形成過程の条件が地域ごとに異なります。 たとえば、火山活動が盛んな地域では冷えたマグマが特定の金属を含み、これが鉱床を形成します。

こうしたことから、鉱産資源は地球の複雑な地質と地域的条件の相互作用によって特定の地域に偏在しているのです。

■ 鉱山資源の種類

鉱山資源の種類は大きく分けて「金属鉱物資源」と「非金属鉱物資源」に分類されます。
金属鉱物資源は主に化合物の形態で採掘され、これらの化合物を分解して金属単体として利用します。

ただし、金や白金など一部の鉱物は化合物を作らず、単体として産出します。 一方で非金属鉱物資は、金属を主成分としない資源です。

◆金属鉱物資源
(1)鉄鉱石
鉄の主要な原料として使用され、鋼鉄製品の製造に必要です。
鉄鉱は、先カンブリア時代の海に存在していた鉄分が、海水中の酸素濃度の増加と共に酸化鉄に変化し、それが海底に堆積して形成された鉱石です。

(2)銅鉱石
銅は電気や建築など多岐にわたる分野で使用される重要な金属です。
銅鉱石は、地下のマグマが地表に噴出する際に形成されるため、その分布は火山活動が盛んな地域とほぼ一致しています。

(3)アルミニウムの鉱石(ボーキサイト)
アルミニウムの主要な原料として利用されています。
ボーキサイトは、主に酸化アルミニウムを多く含む岩石です。

(4)金や銀鉱石
宝飾品や貴金属の製造や、スマートフォンや電気自動車などにも広く使用されています。

(5)レアメタル
チタン、クロム、ニッケルなどのレアメタルは、存在量が少なく先端技術産業に不可欠な金属です。
一方で、鉄、銅、アルミニウムなどの金属はベースメタルと呼び、生産量が多くさまざまな材料に広く使用されています。

◆非金属鉱物資源
(1)石炭
炭素を主成分とする化石燃料で、発電や産業用エネルギーの主要な源として広く使用されています。

(2)原油(石油)
地下から採掘され、精製を経てガソリン、ディーゼル、ジェット燃料などに加工されます。
燃料や化学製品の製造に利用され、交通や産業のエネルギー源として重要です。

(3)天然ガス
主成分はメタンであり、地下から採取されて発電、暖房、産業プロセスに使われるエネルギー源です。

(4)ダイヤモンド
炭素の結晶構造であり、地下深部で高温・高圧下で形成されたものが鉱石として採掘され、主に貴石として宝飾品に使用されます。
これらの鉱山資源は産業や経済の様々な分野で活用され、現代社会の基盤を支える重要な役割を果たしているのです。

2. 鉱山の分布と産出される貴金属

貴金属は一般に高い経済的価値や希少性を持つ金属を指します。
貴金属は、宝飾品や工芸品、投資などの用途に広く使用されており、「貴重な金属」ということから貴金属と呼ばれるようになりました。

主な貴金属と呼ばれる金属には以下の種類があります。

金(Au)、銀(Ag)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)の8種類です。

中でも、金とプラチナは資産価値が高い金属として知られています。
人類がこれまでに世界各地で採掘した金の総量は約18万トンに達していて、この18万トンの採掘量は、オリンピック競技用プールおよそ3.8杯ぶんに相当します。

一方で、未採掘の金の埋蔵量は約5万トンと推定されていますが、これはあくまで「採掘可能な金」の埋蔵量で、このままのペースで採掘していくと15年後には金が枯渇してしまうと予測されているのです。

しかし、海中に眠る金や採掘不可能な場所の金が将来的に採掘できるようになると、世界中に分布する金の採掘量が増加する可能性があります。

金の鉱床は、火山活動によって形成されています。
マグマが地表近くまで上昇して火山を形成する過程で、周囲の地層に含まれる地下水を加熱するのです。

この加熱された水が熱水として地下で循環し、そしてマグマから分離した金の粒子が熱水に混ざります。
そして、熱水はマグマを形成するケイ素(ケイ酸塩溶融体)や金の粒子を含み、ケイ素は冷えると「石英(せきえい)」という岩石の成分に変化するのです。

石英の中に金の粒子が含まれており、それが金の鉱床を形成します。
金の採掘では、岩石の中には僅かな量しか金が含まれていないため、特殊な方法で金を取り出します。

■ 日本の鉱山と産出される貴金属

最も身近な貴金属といえば「金」ではないでしょうか。
日本の貴金属の埋蔵量は世界全体でみると少量ですが、日本でもいくつかの鉱山で採掘が行われていました。

「金山」といえば、まず思い浮かぶのが1601年に発見された新潟県の佐渡島にある佐渡金山です。 佐渡金山は1601年に発見され、日本最大級の金山として400年以上にわたり約78トンの金を採掘しました。
しかしその後、鉱脈が枯渇し1989年に閉鎖されています。

ほかにも北海道の紋別市に存在した鴻之舞金山では、1915年から1973年までの総産出量は64トンに達します。                                                              現在の日本では鹿児島県伊佐市にある菱刈鉱山が唯一の採掘地で、1985年~2013年までに約200トンの金が産出されています。
菱刈鉱山で採掘される金は鉱石1トンに約20グラムの金が含まれ、これは世界の平均5グラムよりも高い数値です。

銀に関しては、かつては島根県の石見銀山や、兵庫県の生野銀山、長崎県の対馬銀山などで多くの銀が採掘されてきた歴史があります。 現在も日本国内での採掘は行われていますが、埋蔵量は限られていて、主にほかの金属鉱床から副産物として得られることがある程度です。

近年、日本では「海底熱水鉱床」が新たな金鉱脈として注目を浴びています。
深海の底から湧き出る熱水には金や銀だけでなく、高価で稀少な貴金属である「レアメタル」の存在も期待されています。
しかし、深海は未だ解明されていない領域であり、深海探査は宇宙探査よりも難易度が高いのが現実です。

■ 世界の鉱山と産出される貴金属

金の年間産出量が世界で最も多いのが、中国の年間約401トンです。

次に鉱物資源が豊富なオーストラリアが約315トン、3番目は広い国土に未開発の地域が多いロシアが約311トン、4番目がアメリカで約226トン、そして5番目がカナダで約183トンと続きます。

南アフリカはかつて世界の70%もの金を産出していましたが、現在は採掘過剰の影響で産出量が減少しているようです。
金の産出量は年々変化し、各国の金産出量はそれぞれの国の事情により決められます。

次に、金の埋蔵量では国土が広いオーストラリアは約1万トンで世界1位、ロシアは約6,800トンで世界2位です。
南アフリカは5,000トンと世界3位です。そしてアメリカ約3,000トンで世界4位、インドネシアは約2,600トンで世界5位です。
ブラジル、ペルー、中国、カナダが6位から9位に続きます。中国は産出量では世界トップですが、埋蔵量では8位です。

プラチナは、南アフリカが世界のプラチナ生産量の約58.7%を占め、次いでロシアが8.1%、シンバブエが5.9%、北米が3.5%、ボリビアなど他の地域が2.6%です。
また、プラチナはこれまでに採掘された量を含めて地球上に約1万6,000トンしかないとされています。
プラチナは1トンの原鉱石からわずか3gしか採取できず、細い指輪1本ぶんだといわれ、こうしたことからプラチナの希少性がわかります。

銀は主に鉱山で採掘され、ペルー、メキシコ、オーストラリアなどの主要な銀生産国では、金や亜鉛、鉛などの精製に伴う副産物として生産されることが一般的です。
2020年のUSGSのデータによれば、銀埋蔵量で世界最大の国はペルーであり、その埋蔵量は12万トンとされています。

3. 日本はエネルギー不足なのか 今後の課題

日本は地形的な制約や地質条件の影響を受け、多くの鉱山資源が不足しています。
主要な金属鉱物やエネルギー資源は輸入に頼っており、国内産出量は限られています。

金属資源に関しては金、銀、銅、鉛、亜鉛などの主要な鉱物が国内で限られた地域でしか採掘されていません。
エネルギー資源においても石炭や天然ガス、原油については国内の産出が少なく、ほぼ完全に輸入に頼っています。

鉱山資源の不足は、産業の安定的な発展やエネルギーセキュリティの観点から重要な課題です。
エネルギーセキュリティとは社会情勢に左右されず、必要なエネルギーを適正な価格で供給することで、安定した日常生活を送るために非常に重要です。

そのためには、資源の安定供給を確保し、国内の産業基盤を強化するための新たな採掘技術や効率的な資源利用、再生可能エネルギーの開発などが求められています。

また、国際的な資源の競争が激しさを増している中で、戦略的な資源確保が必要とされているのです。

■ 限りある資源を大切に使う、都市鉱山の可能性

私たちにとって身近なスマートフォンやパソコンなどの電子機器や、産業用の素材には、鉄やアルミニウムなどのベースメタルが使用されています。

また、希少価値の高いインジウムやリチウム、チタン、クロムなどのレアメタルや、貴金属の金や銀、プラチナも多く使用されているのです。
電子機器などに使用されているこれらの資源を「都市鉱山」と呼び、近年「都市鉱山」のリサイクルが注目されています。

日本の都市鉱山には、銅や鉛が世界全体の埋蔵量の約5%、金・銀では約10%に相当する資源が潜んでいます。
日本は天然資源に乏しいとされる中でも、電子機器に含まれる資源をリサイクルすると、自然の鉱山で採掘するよりも効率よく貴金属を手に入れることが可能です。

4. 少ない資源だからこそ需要がある

貴金属は限られた量しかないうえに、投資や装飾品だけではなく、電子機器や医療機器などのさまざまな分野に利用されています。
しかし、貴金属は採掘できる地域が限定され、採掘に時間と技術が必要です。

今後も貴金属の需要は増加していくと考えられますが、貴金属の需要に対して供給が追いついていません。
しかし、日本には大きな鉱床はなく、今後どのように資源を確保できるかが大きな課題です。

対策としては、資源国との関係強化で供給の安定を図り、海洋鉱産資源の開発などがありますが、都市鉱山の活用もひとつの方法です。 鉱山資源が少ない日本では都市鉱山を上手く利用して、貴重な資源を効率的に活用することが求められます。

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