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経済

インドはなぜ金の需要が高いのか?背景にある文化と経済事情を徹底解剖

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インドは南アジアに位置する大国で、14億人の人口を有し、2024年時点で世界最大の人口を持つ国です。
近年は経済成長に伴い、アジア新興国としての存在感が増し、中国と並び金に強い関心を持つ代表的な国として知られています。
今回は、インドで金の需要が高い理由や経済事情をご紹介します。

1. なぜインドは金の需要が多いのか?

現在、中国とインドの個人および中央銀行による金の買い増しが、金の価格が上昇している要因のひとつです。

2008年9月、米財務省とFRBがリーマン・ブラザーズを救済できなかったことで、世界経済と金融市場が大混乱に陥りました。
この、「リーマン・ショック」をきっかけに、アメリカからはじまった金融危機が世界中に広がります。

そして、最近のウクライナ紛争では、米国をはじめとする主要先進国がロシアに経済・金融制裁を発動しました。
これは、米国の経済制裁や金融制裁によりドル取引が制限されるリスクが高まるからです。

制裁が広がると経済活動に影響が出る可能性があるため、ドル依存を下げようとする動きが強まっています。
さらに、世界経済の多極化と新興国の台頭により、複数の通貨や資産に分散投資する動きも強まっています。

こうした背景から、中国やインド、ブラジルなどの新興国はドル依存のリスクを認識し、金へのシフトを強めるようになったのです。

さらに、インドでは経済成長に伴って富裕層が増加し、金の購入は個人にとって社会的地位を示す手段となっていることも要因です。
インド経済が好調な理由は、中国からの生産拠点の移転が増え、直接投資が増加しているためです。

また、制裁対象であるロシア産原油の購入も、インドの経済を支えました。
そして、インド政府は2024年7月23日に金と銀の輸入関税を15%から6%に引き下げる方針を示します。
これは、高関税による密輸の増加や、税率の低い白金合金を使った金の輸入増加への対応策であり、今後も金の保有量が増えると考えられます。

■ インドの金需要は中国に次ぐ世界第2位!その驚くべき規模とは?

インドの金需要と消費量は、2022年の国別ランキングで世界第2位です。
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の調査によると、インドは2022年の国別金需要で中国に次いで第2位にランクインしました。

世界全体の金需要消費量は3,303.3トンで、そのうちインドは774.0トンを消費しています。
これは前年比で2.9%の減少を示していますが、それでも世界シェアの23.4%を占めています。
同年、1位の中国は789.2トンを消費しており、インドの金消費量は中国とほぼ同程度です。

WGCの報告によれば、インド国内には18,000トン以上の金が存在し、これは世界の金の約11%に相当します。

■ インドにおける金の特別な位置づけ

インドで金の所有者が多い理由は、同国の深い文化的背景に由来しています。

インドの生活には、人口の80%を占めるヒンドゥー教徒の習慣が深く結びついていることも関係しています。
ヒンドゥー教では大切な物事を縁起の良い日に行うという風習があり、特にアクシャヤ・トゥリティーヤやディーワーリーといった祭日に、富と繁栄の象徴とされる金を購入するのが習慣です。

また、お祭りや結婚式などでも金の装飾品が多く使われ、特に結婚式では新婦の持参金として金を贈る伝統があり、金の量が家族のステータスを示すものとされているのです。
こうしたことから、金はインド人の生活に欠かせないものだというのがわかります。

インドは、歴史的に金にまつわる多くのエピソードを持つ国で、インダス文明の時代から金製品が人々の生活に浸透していたとされ、これが現在まで続いているのです。
これは、インドでは古くから、金は豊かさと幸運の象徴とされていて、インド文化の中で重要な役割を果たしていたからです。

そのため、インドでは金のジュエリーが先祖から受け継ぐ大切な財産とされており、このことがインドの金需要が世界一である理由となっています。

■ 資産を守るだけじゃない!インドで高まる金投資にあるリスク分散

インドでは、金はほかの投資対象に比べて非常に安全な投資と見なされており、常に需要が供給を上回っている状態です。
インドの投資家は、高インフレや不安定な経済状況に対するリスク回避手段として、昔から貴金属に強い魅力を感じてきました。

また、インド独特の金需要として、降雨量と農家の収穫量に大きく影響されていることもあります。
これは、インド経済において農業は重要な役割を果たしており、特にモンスーンの降雨量が影響しているからです。

降雨量が多く収穫が良い年は、農家の収入が増え、金の購入意欲が高まるため、金の需要が増加します。
一方、降雨量が少なく収穫が悪い年は、農家の金購入が減るので金の需要が低下するため、国際的な金の価格が下がる可能性があります。
実際に、2015年には降雨量不足でインドの金需要が縮小し、金の国際価格が下落しました。

中国やインドでは、金が単なる投資商品やリスクヘッジにとどまらず、長年にわたり実物資産として大切にされ続けてきました。
特にインドでは、金の需要が地金と装飾品のバランスよく成長しており、経済成長に伴ってさらに高まると予想されます。

2. インドの金の需要は今後も続く?価格動向と市場予測

近年、アメリカの国際的地位が低下し、ドルの価値が下がる中、ドルを大量に保有することはリスクと考える国が増えました。
これは、各国が保有する「外貨準備高」が理由となっているのです。

外貨準備高は、自国通貨の価値安定・国際取引での支払いなどのために各国が保有する海外通貨や金であり、この中にはドルも含まれています。
そのため、ドル安になると外貨準備高の中にあるドルが安くなり、外貨準備高そのものの価値が減少してしまいます。

ここで白羽の矢が立ったのが、安定性の高い金です。
すなわち、ドルの価値が下がり気味で信頼できない場合では、より価値の安定した金を保有する方がリスクを軽減できるのです。

中国やインドは経済成長に伴い外貨準備を増やしていますが、ドルやユーロの価値が減少するため、金の方がより安定した外貨準備と見なされています。
そのため、最近ではこれらの国々はドルやユーロの比率を減らし、金の保有量を増やす傾向があります。

■ 【2024年】中国とインドの輸入量増加で金の最高値を更新!

金相場は、2008年に国際相場が初めて1トロイオンス(約31.1グラム)で1000ドルを突破し、その後一時2500ドルを超えました。
これは、特にインドと中国の個人や中央銀行が金の買い増しを進めたことが大きな要因とされています。

中国は世界最大の金生産国であり、それに加えて投資家や中央銀行による金需要が近年急増しています。
これは、中国政府がドルの価値の中長期的な不安定さを懸念し、リスク分散のために金の保有を増やしていることが原因です。

また、インドでは古くから金が重要視されている文化があり、多くの家庭では金のジュエリーやコインが代々受け継がれています。
近年ではインドの経済的発展により、金の需要がさらに増加しました。

このように、世界人口の1、2位のインドと中国が金の輸入量を増加したことが、金価格上昇の一因となっているのです。

■ バブル?それとも安定成長?歴史から読み解く金価格の未来

過去20年間、金価格は多少の変動がありつつも、全体的に上昇傾向です。

金価格は、1990年代後半は低迷していたものの、2000年から金価格が上昇し始め、その時点では1gあたり約1,000円でしたが、2024年7月には13,879円以上と約10倍に達しています。
金価格の変動にはさまざまな要因が影響しますが、株式や債券の価値が下がると投資家が金にシフトするため、金価格が上昇するのが一般的です。

近年、スマートフォンやパソコンの普及により、電子機器の基板に使用される金の工業用途需要が増えたことも、金価格上昇の一因です。
金は年間約4,500トン採掘されていますが、埋蔵量には限りがあり、20年以内に枯渇するとされています。

金の需要が高まる中で流通量が減少しており、その結果、金価格は上昇を続けているのです。

現在、金価格は急上昇しており、短期的には下落の可能性もありますが、工業用途での需要増加や採掘量の限界を考えると、長期的には、金価格は上昇し続けると考えられます。
2022年から続くロシアによるウクライナ侵攻や、ハマスによるイスラエル侵攻など世界情勢の不安定さが続くと、金価格はさらに上昇するでしょう。

3. 金投資の魅力とリスクを理解しよう

金が投資で選ばれる理由は「希少性」と「換金性」です。
地球上に少量しか存在せず、美しさから装飾品に使われるほか、加工しやすく熱伝導性が高いため工業製品にも利用されています。
さらに、取引市場が活発で現物資産として換金しやすい点も特徴です。

19世紀から20世紀はじめにかけて、世界各国は「金本位制」を採用しており、貨幣価値が「金」によって裏付けられていました。
金は信用度が高く、世界中で換金可能なため、投資対象としても扱われています。

「金投資」とは、ゴールドバーの購入から投資信託を使った積み立て投資まで、多様な方法があります。
また、金は政治的・経済的混乱、災害、インフレ時に値上がりする傾向があり、「有事の金」として資産保護の手段として金投資を行う投資家が多いのです。

■ なぜ 金投資は魅力的なのか

金投資の魅力は、「金」そのものの特徴が関係しています。

・分散投資
投資の基本である分散投資とは、資産を預貯金、保険、不動産、株式、債券、金など異なる投資対象に分けてリスクを軽減する考え方です。
株式や債券は財産的価値を持つ権利を表しますが、実物の裏付けはありません。

そのため、戦争や災害などで世界情勢が悪化すると、価格が大きく下落する可能性があるのです。
一方、実物資産である金は、価値を保ちやすく、世界情勢が悪化しても価格が下がらず、むしろ上昇することがよくあります。

こうしたことから、金はより安定した資産として分散投資に向いている資産だといえるでしょう。

・インフレに強い
インフレ時には物価が上がり、貨幣の価値が下がる一方で、金はインフレの影響を受けにくいとされています。
たとえば、100万円を銀行に預けて物価が1年で2%上昇すると、1年後には100万円で買えた商品が買えなくなります。
しかし、金の価値も上昇していれば、100万円相当の金は1年後に102万円相当の価値になるため、インフレ対策として有効です。

・安全資産
「金」は世界共通で価値が認められるため、信用リスクにおいてもメリットがあります。
株式や債券などの「ペーパー資産」は、発行する国や企業の信用に基づくため、破綻すると資産価値がゼロになるリスクがあります。

対照的に、「金」は存在そのものに価値がある「実物資産」で、経年劣化や腐食による価値の低下がなく、世界中で流通しているため取引の安全性と信頼性が高いのが特徴です。
そして、その希少性から、金は価値が安定しているといえるでしょう。

■ 金投資のリスク

金投資はインフレヘッジや有事の際の安全資産としての側面がありますが、一方でいくつかのリスクも存在します。
まず、金投資には市場価格の変動リスクがあることです。

金の価格は常に変動しており、購入時よりも売却時に価格が低ければ損失が発生しますが、適切な売却タイミングを判断するのは容易ではありません。
金価格は常に上昇し続けるわけではないため、適切な投資時期を見極めるのは困難です。

投資家は、世界情勢や経済動向に敏感でなければなりません。
特にアメリカの経済指標や政策金利、世界各国の地政学的な情報を把握することが重要です。

また、物理的に金を保管する際には、盗難や紛失のリスクがあり、安全な保管場所を確保するための追加コストがかかります。
金は短期間での大幅な値上がりが期待できないため、短期的な利益を狙う方には不向きです。
また、金は配当金や利息を生まないため、定期的な収入を求める人にも適していません。

4. インドで金需要が高い理由は『需要』と『投資』

インドでは、元来金の所有が広く普及しており、これは文化的背景が所以です。
そして、近年では金は安全資産と見なされ、リスクヘッジの手段として利用されるようになったことで、さらに需要が増えています。

このように、歴史的、社会的背景から金はインドの人々にとって欠かせないものなのです。
金は先祖からの財産として大切にされ、家族から代々受け継がれています。

これは、ヒンドゥー教では、人生の目的を「アルタ(実利)」、「カーマ(快楽)」、「ダルマ(義務)」に分けて説いており、アルタは現世の利益や富を追求することを意味しているのです。
金への投資は、この「アルタ」の概念を体現しており、社会的地位や財産の象徴ともなっているため、インドでの金の需要は今後も増加していくと考えられます。

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