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アンティークコイン投資とは?硬貨を資産として活用する方法を解説

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コイン投資にはさまざまな種類がありますが、古いコインを対象にした『アンティークコイン投資』をご存じでしょうか?
アンティークコインとは、世界中で過去に通貨として使用されていた硬貨のことです。
古い硬貨を現代で金融商品として投資に用いる方法が、アンティークコイン投資です。

具体的な方法は、古い時代に発行されたコインを購入し、人気になり需要が高まるなどの理由で購入時より高値になった際に売却します。
日本ではあまり聞いたことがないかもしれませんが、世界の富裕層には人気があり、ヨーロッパやアメリカなどにはコレクターも多数存在します。

近年では金の価格が上昇したことで、素材に金を用いたアンティークコインの価値も上がり、世界だけでなく日本でも新たな投資先として注目されるようになりました。
本記事では歴史的価値も兼ね備えたアンティークコインについて解説します。

1. アンティークコインとは

『アンティーク』とは一般的には古代から中世のことを指していますが、中世の部分の定義については国によって異なります。
そのため発行された年代だけではアンティークコインか区別することは困難です。
日本では100年以上前に製造されたコインをアンティークコインと呼んでいます。

またデザインが美しいコインが多いことや、金や銀などの貴金属で作られていることから、お気に入りのアンティークコインをネックレスに加工する人もいます。

アクセサリーにすることで、通貨の堅苦しい印象を薄め、芸術品としての美しいデザインを強調できます。
そのため投資や観賞用だけでなく、アクセサリーとしてもアンティークコインは人気があります。

2. アンティークコインの種類

アンティークコインはおもに『古代コイン』『アンティークコイン』『モダンコイン』の3種類に分けられます。
それぞれのコインの名称は年代によって分かれています。

またアンティークコインを投資に用いる際は、デザインよりもコインの素材や特徴が価値に影響を与えます。たとえば現在金の価格が高騰しているので、99.99%以上の純金製のコインは金としての価値が大幅に上乗せされます。

希少性と素材の価値が合わさることで、希少なコインや投資用の貴金属それぞれの価値が合わさり大きな利益を生み出します。

アンティークコインを投資に活かすために、種類や特徴を確認しておきましょう。

■ 古代コイン

古代コインは紀元前からローマ帝国滅亡ころ(1475年)までに発行されたコインを指します。人類がコインを商取引に利用しはじめたのは、紀元前600年ごろと言われています。

その時代から使用されているものが多いため、劣化が激しいものがほとんどです。
状態が良いものは博物館に展示されるほどで歴史的価値が認められています。

世界最古のコインは大映博物館が所蔵する『リディアン・ライオン』で、起源前670年にトルコのリディア王国で造られました。
また西暦64年に発行された月桂冠をかぶった皇帝ネロが彫られている『ネロアウレウス金貨』は、古代ローマの金貨の中でも人気があります。
ローマ皇帝の中でも知名度の高い皇帝ネロは、金貨のデザイン的価値を高めました。

■ アンティークコイン

アンティークコインとは古代以降から現在の100年以上前に発行されたコインを指します。
こちらも具体的な年数の決まりはなく、名称の定義はあいまいです。

おもに中世、近世、近代に区分されますが、具体的な年代の定義は国によってさまざまです。
一般的にアンティークコインと呼ばれるものは、中世から近代に発行されたコインです。

また海外では同じ時代に作られたコインはビンテージコインと呼ばれているので、購入の際には国によって名称が異なる点に注意が必要です。
知名度が高いものとして『ハーフイーグル金貨』や『クルーガーランド金貨』があります。

■ モダンコイン

モダンコインは近年に発行されたコイン全般のことで、一般的には1945年以降に発行されたコインを指します。
しかし近代発行されたモダンコインでも、アンティークコインと呼ばれる事例が増えてきました。

近年に発行されたコインにも関わらず、宣伝広告の目的で『アンティークコイン』と呼ばれはじめたからです。
モダンコインは年代の定義が意図的にゆがめられていることもあるため、名称だけでコインの年代を判別することは非常に難しいと言えるでしょう。

モダンコインは古代コインやアンティークコインよりも需要の変動が大きいので、価値が変わりやすい点にも注意してください。
一方で古代コインやアンティークコインに比べ、モダンコインが製造された時代は造幣技術が進歩しているため、繊細で美しい装飾や美しい輝きを持ったコインが多数登場します。
中でもエリザベス二世の即位60周年を記念して2022年に発行された『5ポンドプルーフ金貨』が有名です。

■ 素材による違い

投資目的でアンティークコインを購入する際には、コインに施されたデザインの価値以外にも素材の価値も考慮したほうが良いでしょう。
たとえデザイン性が評価されていない価値の低いコインだとしても、金の価格高騰により、売却時に倍以上の価格となる可能性も大いにありえます。

また金だけでなく、銀も投資として使うことができる貴金属です。
金貨より安価で購入できることから、少ない資金でコイン投資をはじめたい人に人気です。

銀貨は流通用の通貨として古代より広く使用されていたもので、模様が細かいデザイン性が特徴ですが、錆やすい特徴もあります。
安価で購入できるからこそ、利益も少ないですが、錆びてしまったものを売ったとしても損失も少なく済みます。

コインの素材には金や銀以外にも銅やプラチナもあります。
銅貨は価値や製造コストが低いため広く流通しています。
集めやすい反面、錆びやすく劣化しやすい特性があり投資には向いていません。

またプラチナは金よりも安く銀よりも価値が高い貴金属です。
プラチナは錆びにくく金よりも傷がつきにくいので、金貨と銀貨両方のメリットを持っています。
素材面と価格面で迷った時にはプラチナ素材のコインが選びやすいと言えるでしょう。

3. アンティークコイン投資のメリット

投資家は通常、株式や債券、不動産などさまざまな投資へ資産を分散させることでリスクを軽減させます。
投資先を複数にすることで、損失したとしても失う資産を少なくすることができるからです。
アンティークコインは市場の変動に対して相対的に安定し、独自の価値を持つため、分散投資先として魅力的な選択肢だと言っても過言ではありません。

ほかの金融商品の価格と比べてみましょう。
2008年のリーマン・ショックでは株価が急落しましたが、アンティークコインの価格は安定や上昇傾向にありました。
同時期に貴金属投資である金の価格が上昇していたので、金貨はこの時に素材としての価値が高まり、価格も上昇したのでしょう。
このようにアンティークコインは素材の価格が安定しているため、ほかの投資よりも価格が下がることなく安定していることがわかります。

また貴金属投資としてインゴットを買うよりも安価であるため、同じ貴金属投資ならアンティークコインの方がハードルが低いこともメリットです。
株式市場は不祥事による信頼低下などで価格変動が起こりやすいですが、アンティークコインは歴史的事実が価値の根底にあるため、安定した価値があり投資家からも信頼されています。

ほかにもアンティークコイン投資には以下のようなメリットもあります。

(1) 日本だけでなく世界で取引できる

アンティークコイン投資の市場は世界中に広がっており、常にどこかの国でオークションが行われています。
特にヨーロッパやアメリカの都市にはアンティークコインのショップが多数存在しており、多くのコインが売買されています。

いつでもコインを売ることができる環境は、特定の国の経済リスクに左右されず、経済的なリスクを回避できる利点でもあります。

またアンティークコインのほとんどの価格は国際基準によって決まるため、価格安定しており適正な取引が可能です。

ほかにも通貨選択を自由にできるので、日本や米ドル、ユーロ、スイス・フランなどの世界の主要通貨でも取引ができます。
有利な為替レートを活用することができる点もアンティークコインの大きなメリットのひとつです。

(2) 物価の変動を受けにくい

アンティークコインは実物資産であり、貨幣価値が下がるインフレの対策としても有効です。インフレが進行すると物やサービスの価格が上昇し、必要な貨幣が増えることで貨幣の価値が減少します。

現金を所有している場合インフレ率が5%なると、1年後には現金の価値が95%まで低下してしまいます。
しかしアンティークコインは通貨ではなく実物資産なので、インフレになったとしても現金のように価値が下がることはありません。

また株式投資や不動産投資などのように、経済状況の悪化の影響で値下がりすることが少なく、反対にインフレ時には価格が長期的に上昇する傾向があります。
インフレ時の価格上昇の理由は、コインに使用されている素材の安定した需要があるからです。

長期的な需要はコインを購入するタイミングを問わないことに繋がるため、貴金属投資をはじめるタイミングを迷っているのなら、いつでもはじめやすいアンティークコイン投資が適しています。

4. アンティークコイン投資のデメリット

アンティークコイン投資には魅力的なメリットが数多くありますが、デメリットも存在します。
たとえば引手続きが複雑であること、偽造品のリスク、市場情報が入手しにくい点、価格の変動性などが挙げられます。

投資全般に言えることですが、メリットだけでなくデメリットやリスクなども理解することで、戦略を立てやすく、より大きな利益を得ることができます。
リスクがない投資はありませんが、少しでもリスクを減らすことはできるのです。

(1) 短期の投資には向いていない

アンティークコイン投資の一番大きなデメリットとして、価値の上昇に時間がかかる点が挙げられます。
アンティークコインは市場が限られており、売買手段も少ないことから、購入してから価値が上がるまでに長い期間を見据えなくてはいけません。希少価値が認められる期間が予測できない点からも、長期の保持が必要と言えるでしょう。

最低でも5年以上は保有することが推奨されているほどです。
株式投資のように短期で売買し利益を得る運用が難しい投資でもあります。

さらにコインやインゴットなどの現物資産すべてに共通していますが、長期間『価値を損なわずに保管』しなくてはいけません。
いくら希少性が高いからと言って、傷だらけのコインを売却しても利益にはなりません。
それだけ保管も慎重に行うことが求められます。

しかし保管に関しては難しく考えることはありません。
ワインがフタを開けた瞬間から価値が下がるように、アンティークコインもスラブケースから出すことで、傷や汚れがついて価値が下がってしまいます。

スラブケースとは開封防止用のアクリルケースで、空気に触れてコインが劣化しないように作られています。
スラブケースから出さないことを徹底するだけで、品質低下を防ぐことができます。

(2) 海外のものは情報を集めにくい

アンティークコインは発行枚数が少なく、希少価値が高いため投資としても人気がありますが、希少なために情報が出回らない点がデメリットにあります。

株式投資や不動産投資ならばインターネット上で検索したり、専門のツールを用いることで簡単に多くの情報を集められます。 しかしアンティークコインは日本ではまだ普及していないため、国内の情報は多くはありません。

けれども世界中で取引できるメリットがあるからこそ、英語やそのほかの言語で掲載されている情報は数多くあります。
ただ母国語や学習していない言語である場合、翻訳をしてからでないと情報を得られません。
翻訳の精度も限度があるので、掲載されている情報が正確かどうか、確かめることは難しいでしょう。

(3) 購入先に注意が必要

日本語以外の言語の情報を元に、海外の買取業者とのやり取りをするケースもあります。
海外で取引できるメリットを利用するためには、より正確な情報を持っていた方が良いでしょう。
希少と言う情報を信じてアンティークコインを購入したものの、実は珍しいものではなく、購入額より売却価格が低い事例も少なくはありません。

なじみのある言語で取引できないことは、このような問題に発展する事態を起こしやすくします。
日本語の情報であっても、オークションサイトなどでは写真とは異なる偽物を販売する個人もいます。

意味の相違が無い翻訳を心掛け、身元が明確な信頼できる購入先か確認してから購入しましょう。

5. はじめての投資はアンティークコイン投資がおすすめ

アンティークコイン投資のメリットやデメリットを解説しましたが、投資初心者でも手軽かつ高い利益を得るならばアンティークコイン投資がおすすめです。
アンティークコインはコインの価値を決める基準が明確であるため、コレクターや投資家の需要が高まりやすいと言えます。

同じ現物投資でも、ワインやインゴットでは『美術的・歴史的価値』をデザインから読み取ることはできません。
資産運用だけでなく、見た目でも楽しむことができるのはアンティークコインの強みでもあります。

株式のように投資専用ではないため、まずは好みのデザインを鑑賞目的もかねて購入し、そこから投資の運用を考えても遅くはありません。
長期投資のデメリットをこのように活かすこともできるので、最初は信頼できる業者を探してみましょう。

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