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貴金属の刻印には意味がある 日本と海外で異なる金の刻印の種類を解説

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貴金属やアクセサリーを細部までチェックすると、多くの製品に印が刻まれているのをご存知でしょうか。
この印は「刻印」と呼ばれるもので、製品の素材に関する重要な情報を伝えています。

刻印は、インゴットには美しいデザインのように施され、アクセサリーには目立たない部分にそっと刻まれているのが特徴です。
こちらでは、貴金属に刻まれている刻印についての基礎知識をご紹介しますので、お役立てください。

1. 金に彫られた刻印(ホールマーク)とは何か?

刻印は、またの名を「ホールマーク」や「純分認証極印(じゅんぶんにんしょうごくいん」)とも呼ばれています。
ホールマークのはじまりは、14世紀のイギリスです。
金細工師組合がロンドンに貴金属検定所を設立し、検査に合格した貴金属に品質を証明する刻印を施す制度をはじめたことが起源です。

そして、現在ではホールマークは、各国の造幣局や国の機関、指定業者がプラチナ、金、銀などの貴金属製品を厳密に検査し、合格した製品にのみ刻印される品質証明のマークとして知られています。

■ 貴金属ごとに異なる刻印

貴金属に刻まれた刻印は、製品についての重要な情報を提供します。
主に、貴金属の種類、純度、製造元などが記されており、製品の真贋を確認する手助けとなるのです。

金の純度を表す場合は、「K(カラット)」を使い、24分率の重量比率で表されているのが一般的です。
たとえば、貴金属に刻まれている「K24」とは24分率のうち24分が金、つまり純金を意味しています。
また、日本製のアクセサリーに多い18金は、金を75%使用したもので「K18」と刻印が刻まれています。
海外製品の中には、純度が1000分率で「750」と刻印されている製品もあるようです。
刻印にはアルファベットや数字の他に、国旗、ひし型などさまざまな種類が存在しています。

カラーゴールドの場合は、純度の後ろに色の種類を表すアルファベットが刻印されます(例:イエローゴールド「YG」、ホワイトゴールド「WG」、ピンクゴールド「PG」)。

シルバーの純度は1000分率で記されていて、その横にシルバーの略称「SV」がついています。
そのため、「SV1000」は純度100%のシルバーであることを意味しており、中にはSVの代わりに「SILVER」と刻印されることもあります。
純度92.5%のシルバーはスターリングシルバーと呼ばれ、「STERLING」と刻印されることもあるようです。

プラチナの純度も金や銀と同じく1000分率で刻印され、「Pt」が数字の前に入ります。
「Pt950」は純度95%のプラチナを示します。
日本やアジア圏では「Pt」と表示されることが多いですが、アメリカでは「PT」や「PLAT」と表記されることが一般的です。

■ 日本の刻印の種類

日本では、1929年から「貴金属製品品位証明制度」が導入されました。
この制度は、造幣局が行う貴金属の品位制度で、日本工業規格(JIS)や国際基準企画(ISO)によって金属の純度が1000分率で表記されます。

日本のホールマークの特徴は、国旗(日の丸)の横にひし形のマークがあり、このひし形のマークの中心には、金の純度が1000分率で刻まれています。
カラーゴールドの場合、例えば18金のホワイトゴールドは「K18WG」と記載され、Kの後に数字が続き、その後のアルファベットはカラーの種類を示すものです。
しかし、貴金属の中には貴金属製品品位証明制度の検定を受けておらず、本物であっても未刻印の貴金属も存在しています。

また、ダイヤモンドやルビー、サファイア、エメラルドなどの貴石を使用した製品には、宝石に関する刻印が彫り込まれているものもあります。
宝石の種類はアルファベットで表され、石目刻印ではカラット数(重さ)が数字で表記されます。

たとえば、メインとなる中石と、中石を引き立たせるための脇石がある場合、中石と脇石の石目の刻印が別々に刻まれています。
そして、刻印はダイヤモンドやルビーなどの貴石の頭文字で表して、アルファベット1文字で記されているのが一般的です。
例を挙げると、ダイヤモンドとルビーの宝石を使用する場合には、「D 0.214 R 0.04」と記載され、それぞれの宝石名とそのカラット数が分けて刻印されています。

2. 日本と海外では刻印が違う?

日本では、刻印には主に品位表示が使われます。
貴金属にはホールマークが刻印されており、これは信頼できる機関によって品質が証明された印です。
ただし、先ほどもお話しましたが、日本ではホールマークの使用は任意であるため、全ての製品に刻印されているわけではなく、刻印がないからといって必ずしも品質が低いわけではありません。

一方、海外では金の刻印に関する取り扱いが異なります。
フランスやイギリスでは、品質管理と消費者保護を目的として、金製品に対する刻印が法律で義務付けられています。
これは、品質の低い製品の流通や盗難などのトラブルを防止するためです。

また、ヨーロッパでは1972年に「ホールマーク条約(ウィーン条約)」が調印され、品質の象徴となる共通管理マーク(CCM)を刻印する制度が導入されました。
この条約に参加しているのはイギリスやポルトガル、スイス、オランダなどの20か国で、これらの国では貴金属には、CCM共通マークである天秤の内側に金の純度が表記されています。

このように、貴金属の刻印は日本と海外で取り扱いが異なり、国によって刻印の義務付け、種類、目的が違うことがわかります。

■ 海外の金刻印(フランス)

フランスの金の刻印には「鷹の顔」がデザインされています。
フランスは世界で最も長いジュエリーの歴史を持ち、刻印に関する法律が非常に厳しいのが特徴です。

そのため、18金以上の純度でなければ金製品として認められません。
つまり、鷹の顔のマークがある製品は、その純度が18金以上であることを示しており、貴金属の品質を保証しているのです。

鷲の顔の刻印は1838年から使われており、これまでに3回ほどデザインが刷新されています。
1838年以前のアンティーク品にはこの鷲の顔の刻印はなく、刻印のデザインから製品の製造年代がわかります。

したがって、コレクターや鑑定家にとって、鷲の刻印の有無は製造年代を知るうえでの貴重な情報源となるのです。
また、フランスの貴金属には、製造された工房を示す刻印が施されていることもあります。

■ 海外の金刻印(中国)

中国で作られた金は、「支那金(シナ金)」と呼ばれます。
これは、日本ではかつて中国を「支那(シナ)」と呼んでいたことが由来です。

シナ金は中国だけではなく、東南アジアなどでも広く流通しています。
日本で流通している金製品に比べると、明るい黄色味が強いのが特徴です。

シナ金には、純度に応じた特定の文字が刻印されています。

万足金:純度がK24相当で、ほぼ純金。
千足金:純度がK21.6~K23相当。高い純度を示します。
足金:純度がK20相当です。

中国の金製品には、これらの刻印が品質の証明として用いられています。
しかし、これらの刻印は中国独自の基準に基づいており、実際の純度にはバラつきがあることが多いのです。
特に「千足金」はK21.6~K23相当と幅を持って表現していますが、これは実際の金の純度にバラつきがあるためです。

シナ金は刻印自体は正確であるものの、千足金の純度範囲が広いため、実際の純度にはバラつきがあります。
そのため、刻印だけでは正確な純度を判断するのは難しいです。

■ 海外の金刻印(イギリス)

イギリスの刻印制度は700年以上の歴史を持ち、その起源は1300年代にまでさかのぼります。
当時のイギリスでは、粗悪な製品の流通が問題となっていたため、刻印制度が導入されました。

これにより、品質が保証された製品のみが市場に流通するようになったのです。
イギリスでは「金の使用量が1g未満」の小さな金製品を除き、貴金属には刻印を打つことが法律で義務付けられています。

イギリスのホールマークは、純度だけでなく、製造者、検査場所、年代など詳細な情報を刻印するのが特徴です。
金には王冠のデザインが施されており、その横に916、750、585、375といった数値で純度が示されています。
また、プラチナには宝珠、シルバーにはライオンパターンのデザインが使われています。

検査場所の刻印は、ヒョウの刻印はロンドンでの査定、城の刻印はエジンバラ、いかりの刻印はバーミンガムを示しています。
さらに、製造者を示す「Duty Mark」や、査定年を示すアルファベットの「Date Letter」も刻印されることがあります。
特別な年には記念刻印が施されることもあり、これらの刻印はイギリスの文化に深く根付いていると言えるでしょう。

3. 純金だけじゃない メッキにも施されている刻印

刻印は金、プラチナだけではなく、メッキや金張りにも施されています。
メッキとは、電気分解や化学反応を用いて他の金属の表面に金などの膜を付着させる方法です。

金メッキ製品には「GP」の刻印が彫られているか、もしくは「GE」「GEP」「HGE」「M・1M・3M・5M」「1/10・1/20」などの刻印があります。
これらの刻印がある場合、その製品は金やプラチナにメッキが施されているだけで、金やプラチナとしての価値はありません。

金張りとは、薄い金の板を他の貴金属に熱圧着する技法です。
金メッキよりも100倍以上厚みがあるため、長期間使用しても剥がれにくく、耐久性に優れています。

金張り製品には「GF」「GR」「GS」「RGP」などの刻印があるのが特徴です。
たとえば、18金張りなら「K18GF」と表示されています。

■ インゴットだけではなく、アクセサリーにも刻印はある

世界標準のインゴットは、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)が定める「グッド・デリバリー・バー」の規格を満たしたものです。
インゴットには、「999.9」もしくは「FINE GOLD」と刻印され、精錬会社や試金業者などの認定マークやシリアルナンバーも表示されて厳しく管理されています。

アクセサリーに刻まれた刻印は、素材、品位、色、メッキ加工、カラット数、ブランドなどを示します。
これらの刻印は、指輪であれば内側、ネックレスやブレスレットは留め金やプレート、ブローチは背面や針に施されるのが一般的です。

ティファニーやヴァンクリーフ&アペールなどの高級ジュエリーブランドには、各ブランドが定めたロゴやマークが刻印されています。
また、結婚指輪やマリッジリングには、記念日やメッセージが刻まれていることが多いようです。

■ 刻印は絶対に偽物を見分けられるものではない

貴金属は古代から非常に貴重な物として愛されており、その価値は現在でも高まっています。
現代では偽物も多く出回っているため、刻印が製品の品質を保証する重要な役割を果たしているのです。
しかし、結論からいうと刻印があっても100%信頼できるわけではありません。
貴金属の偽物は存在し、なかにはプロの鑑定士でも本物と見間違えるほど精巧な物もあります。

具体的には、金メッキや金張りの加工の場合は本来、金メッキ製品には「K18GP」、金張り製品には「K18GF」などの刻印が必要です。
ところが、「K18」と刻印を偽って、18金製品として販売しているケースがあります。
また、K18と刻印されている製品でも、実際にはK14など純度の低い金を使用しているケースでは、金製品としての価値はありますが、虚偽の表示をしているため、その製品の価値は下がります。

「18K」「14K」と後ろに「K」が付く金製品もあり、これを「あとK」と呼びます。
特に、ヨーロッパやハワイアンジュエリー、そして東南アジアで製造されたジュエリー、または国内の古いジュエリーに見られるものです。

「あとK」の製品は、金の含有率が本来の基準に満たないことが多く、買取専門店によっては、買取を断られるか、もしくは買取価格が低くなることもあるようです。
そのため「K18」の刻印の製品の方が信頼され、金の含有率が正確であるというイメージがあります。

4. 刻印(ホールマーク)は意味がある印

貴金属の刻印には、金の種類や純度、製造・販売元などの重要な情報が記されています。
刻印は貴金属の真贋を確認する手助けになりますが、刻印がないからといって必ずしも偽物とは限りません。
貴金属を安心して売買するためには、刻印をしっかりと確認して、信頼できる専門業者と取引することが重要です。

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