金の採掘場所は日本にもある 代表的な金鉱山や金の採掘方法を紹介
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金はその価値を認められ、古今東西のさまざまな場面で、多くの人々に必要とされてきました。
これからも価格の変動は続くものの、金の需要がなくなることはおそらくないでしょう。
そのような普遍的な需要がある金ですが、実は日本でも採掘されていることはご存知でしょうか。
この記事では日本における金の採掘量や金鉱山について解説します。
1. 金は世界中で需要のある貴金属
毎年、金が世界中でどれだけ採掘されているかご存知でしょうか。
金の採掘量は、金の需要の全体感を知るための重要な指標のひとつです。
なぜなら、金の採掘量は、金の出荷量に通じるためです。
そこで、ここでは国別の金の採掘量や埋蔵量を解説します。
■ 世界の金の採掘量
日本の金の採掘量を見る前に、世界の金の採掘量を見てみましょう。
まず、2023年に世界全体で採掘された金は3,000tです。
次に、国別の採掘量とシェア率はどうでしょうか。上位10カ国を見てみます。
順位 | 国名 | 採掘量 | シェア率 |
---|---|---|---|
1位 | 中国 | 370t | 12% |
2位 | オーストラリア | 310t | 10% |
2位 | ロシア | 310t | 10% |
4位 | カナダ | 200t | 6% |
5位 | アメリカ | 170t | 5% |
6位 | カザフスタン | 130t | 4% |
7位 | メキシコ | 120t | 4% |
8位 | インドネシア | 110t | 3% |
9位 | 南アフリカ | 100t | 3% |
10位 | ウズベキスタン | 100t | 3% |
1位の中国は17年連続シェア1位となっています。
シェア同率2位のオーストラリアとロシアも2014年頃から、2位と3位をいったり来たりしています。
おそらく、これら上位3カ国のシェアは今後5~6年は続くでしょう。
■ 世界の金の埋蔵量
世界の金の採掘量とあわせて見ておきたいのが、世界の金の埋蔵量です。
世界全体の金の埋蔵量は合計59,000tとなっています。
では、国別の埋蔵量はどうでしょうか。
金は有限の資源で、金鉱山から採掘される金もいつかは枯渇します。
金の埋蔵量から、金が枯渇する大まかな時期を予測することもできます。
金採掘による経済的恩恵を受けている国にとっては大事なポイントでしょう。
実は、前項で「上位3カ国である中国・オーストラリア・ロシアの採掘量のシェアは5~6年続くだろう」と解説した理由もここにあります。
さらに、金の価値は流通量に左右される側面も大きいです。
そういった理由からも、金の埋蔵量を知ることは非常に大切です。
順位 | 国名 | 埋蔵量 | シェア率 |
---|---|---|---|
1位 | オーストラリア | 12,000t | 20% |
2位 | ロシア | 11,000t | 19% |
3位 | 南アフリカ | 5,000t | 8% |
4位 | 中国 | 3,000t | 5% |
5位 | アメリカ | 3,000t | 5% |
6位 | インドネシア | 2,600t | 4% |
7位 | ブラジル | 2,400t | 4% |
8位 | カナダ | 2,300t | 4% |
9位 | ペルー | 2,300t | 4% |
10位 | ウズベキスタン | 1,800t | 3% |
金採掘量では1位だった中国が4位となりました。
中国はこのままのペース(年間370t)で金の採掘を続ければ、約8年で金が枯渇することとなります。
一方、採掘量で同率2位のオーストラリアとロシアの金の埋蔵量は1万t以上もあり、現在の採掘ペースであれば、今後30年以上も採掘し続けることが可能です。
■ 日本の金の採掘量と埋蔵量
では、日本における金の採掘量と埋蔵量はどうでしょうか。
現在の日本の金の採掘量は年間6t、埋蔵量は150tほどだといわれています。
現在稼働している金の鉱山は鹿児島県の菱刈鉱山のみです。
2. 日本にも存在する金鉱山
金の採掘量・埋蔵量は世界的に見ても非常に少ない日本。しかし、過去には数十tも採掘できていた時期もありました。
現在、日本で稼働している金鉱山は菱刈鉱山のみですが、かつては稼働していた金鉱山がほかにもあったのです。
閉山になってしまった日本の鉱山にはどのようなものがあったのでしょうか。
ここでは日本の金鉱山について解説していきます。
◆ 菱刈鉱山
菱刈鉱山は鹿児島県伊佐市にある、日本で唯一稼働している金鉱山です。
1985年から現在にかけて年間平均6tの金を採掘してきました。
菱刈鉱山が見つかるまで日本一の金の採掘量を誇っていた佐渡金山の総採掘量が約80tだったのに対し、菱刈鉱山のこれまでの総採掘量は260tとなっており、採掘量においても日本一の金山といえます。
さらに埋蔵量は残り約150tと見込まれています。
ところで、ほかの金鉱山が採算に合わないという理由から閉山に追い込まれていったにもかかわらず、菱刈鉱山が現在も稼働できているのはなぜでしょうか。
それは菱刈鉱山で採れる金が、非常にコストパフォーマンスに見合ったものだからです。
一般的に、鉱石1tに含まれる金は3~5gとされています。
ところが、菱刈鉱山では鉱石1tに対する金の含有量は20gにもおよびます。
つまり、(採掘方法などにもよりますが)通常の4分の1のコストで採掘ができるということ。
菱刈鉱山は世界随一のコストパフォーマンスを誇る金鉱山なのです。
そのような菱刈鉱山ですが、これからは年間採掘量を6tから4.4tに引き下げると公表しています。
限りある地下資源を、時間をかけて余すことなく利用するための方針転換とのことです。
これにより残り約30年間は稼働できる見込みがたちます。
日本で唯一の金鉱山はまだまだ現役でいてくれるようです。
◆ 佐渡金山
新潟県にある佐渡金山も日本を代表する金鉱山のひとつです。
佐渡金山は1601年に開山され、それから約400年間にわたって採掘作業が行われてきました。
佐渡金山の総採掘量は約78tで、日本最大級の金鉱山とされています。
しかし、1989年には金が枯渇し、その長い歴史に幕を閉じました。
そして、現在は佐渡金山に新たな動きがあります。
佐渡金山が世界遺産への登録を期待されているのです。
佐渡金山が伝統的で卓越した採掘技術を用いて、17世紀には世界最大級の金の採掘量を誇っていたことなどが評価され、ユネスコ側も「世界遺産への登録を考慮に値する」と公言したのです。
政府と新潟県は世界遺産登録へ向けて本格的に対応していくとのこと。
一度はその幕を閉じた佐渡金山ですが、再び世界から注目される日が訪れるかもしれません。
◆ 鴻之舞(こうのまい)鉱山
佐渡鉱山と並ぶ日本最大規模の鉱山とされていたのが鴻之舞鉱山です。
佐渡鉱山の産出量を上回った時期もあり、「東洋一の金鉱山」とも呼ばれていました。
鴻之舞鉱山は1916年から1973年の57年間にわたり、日本の金採掘を担った金鉱山です。
その間の総採掘量は64.7tで、佐渡鉱山に次ぐ採掘量を誇っていました。
3. 金の採掘方法は鉱山の採掘だけじゃない
ここまで日本の金鉱山について解説してきました。
日本で唯一稼働している金鉱山は菱刈鉱山のみですが、埋蔵量から逆算するとあと30年ほどで金が枯渇すると考えられています。
これで日本では金を一切採掘できなくなるのかというと、実はそうではありません。
実は近年は金鉱山だけでなく、さまざまな金を採掘する方法が模索されています。
金の採掘場所は金鉱山だけではないのです。
ここでは近年注目されている金の採掘方法を解説していきます。
(1) 砂金
砂金とは、サラサラした砂状の金のことです。
「あのような小さなものに価値がつくのか」と思う方もいるかもしれませんが、グラム単位で価格がつけられます。
砂金の金の純度は90%だといわれており、市場価格の90%の価格で取引されるケースが多いです。
多くのほうがイメージする砂状の砂金は「粉金」や「粉砂金」というものです。
ですが、稀に1g以上の砂金が見つかることがあり、それは「ナゲット」と呼ばれています。
世界最大のナゲットはオーストラリアで発見された71kgのもので、歴史的な価値がついているとのこと。
さらには、日本でも1900年に北海道枝幸町(えさしちょう)で769gのナゲットが発見されたことがありました。
砂金は個人でも採取が可能で、レジャーとして砂金採り体験が行われている場所もあります。
砂金採りで有名なスポットとして佐渡西三川ゴールドパーク(新潟県佐渡市)や土肥金山のアミューズメントパークが挙げられます。
新たな金採掘方法として砂金の採掘は候補には挙げられますが、その最大の難点はコストパフォーマンスの低さにあります。
なぜなら、砂金のほとんどは粉金や粉砂金であり、それらにはわずかな価値しかつきません。
一方、高額査定されるナゲットが見つかるのはごく稀です。
このように砂金の採掘には一攫千金の夢はありますが、再現性に欠けた採掘方法といわざるをえません。
(2) 都市鉱山
現在、最も注目されている金の採掘方法が「都市鉱山」です。
都市鉱山とは使用済みの携帯電話やパソコン、家電製品といった電化製品に使われている基盤からさまざまな金属を取り出し、再利用する方法・概念です。
今や生活必需品となっているスマートフォンを例に出してみましょう。
スマートフォンの基盤の中には以下のような金属が使用されています。
・金
・銀
・銅
・鉄
・アルミニウム
・ニッケル
・スズ
・パラジウム
・プラチナ
・タンタル
このように、スマートフォンの基盤には一般的な金属だけでなく、レアメタルも多く使われています。
しかも、これらはほんの一例に過ぎません。
このように考えると、スマートフォンをさまざまな金属を内蔵している「鉱山」と見立てることができます。
これが「都市鉱山」と呼ばれるゆえんです。
もちろんスマートフォンやそのほかの電化製品1台に使われている金属は1g以下のわずかな量です。
しかし、日本で多くの家電製品が使われ、かつ廃棄されていることを考えると、日本には未発掘の巨大な都市鉱山が眠っていると推測できます。
では、気になる金は都市鉱山からどれくらい採掘できるのでしょうか。
国立研究開発法人物質・材料研究機構によると、日本の都市鉱山に眠る金の埋蔵量は約6,800tにのぼるといわれています。
現在、金鉱山の埋蔵量において、世界3位の南アフリカは5,000tです。
つまり、世界上位レベルの金が日本には埋蔵されているということになります。
都市鉱山のメリットはほかにもあります。
それが採取効率の良さです。
一般的に、1tの鉱石内の金の含有量は5gほどです。
世界的に含有率が高いとされる菱刈鉱山でも金の含有量は20gほどでした。
一方、都市鉱山はというと1tぶんのスマートフォンに対する金の含有量は約280gといわれています。
ただし、都市鉱山から効率的に金属を採掘する方法は現状模索中で、研究の段階でもあります。
世界上位レベルの埋蔵量を誇る都市鉱山を有効活用できれば、日本が金の採掘量で世界的なシェアの上位を獲得できるときがくるかもしれません。
4. 貴重な金はこの先も需要が高まる
この記事では日本の金鉱山や現在注目されている金の採掘方法である都市鉱山について解説しました。
金は世界中で59,000tの金が埋蔵されており、都市鉱山も含めると、より多くの金がいまだに採掘されていません。
しかし、金が有限であることに変わりはありません。
おそらく100年も経たないうちに枯渇してしまうでしょう。
一方、各国の政策や世界情勢によって経済状況が変化していく中で、重要になるのはやはり金のような価値がゼロにならない資産です。
そういった観点から、金の需要はこれからも高まり続けるでしょう。
金を保有することは資産を増やすだけでなく、守ることにもつながるのです。