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貴金属のひとつパラジウムとはなにか 特徴や用途もあわせて解説

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貴金属といえば多くの方々が金や銀、そしてプラチナを想像するかもしれません。
しかし、現在の貴金属の買取市場では、パラジウムが注目を集めています。

パラジウムは白銀色で、プラチナやロジウムと同じくらい耐久性が高く、化学的にも安定している貴金属です。
自動車産業や医療機器、宝飾品など、さまざまな分野で利用されており、需要も増加しています。
今回の記事では、パラジウムの特徴や用途をくわしく紹介します。

1. 金やプラチナと同じ? 貴金属のパラジウム

パラジウムは、金やプラチナと同じくらい価値の高い貴金属であるにもかかわらず、その特徴をくわしく知っている方は多くありません。
そのため、買取市場で注目が高まっている状況についても、ピンと来ない方もいらっしゃると思います。
そこで、パラジウムの特徴や、ほかの貴金属との見分け方についてお伝えしていきます。

■ パラジウムの特徴や性質とは

パラジウムは、1802年にウィリアム・ハイド・ウォラストンによって発見された貴金属で、化学記号は「Pd」です。
この名称は、パラジウムの発見と同じ年に発見された「小惑星パラス」にちなんで名づけられました。
小惑星パラス自体は、ギリシャ神話の海の神トリトンの娘、パラス・アテネに由来しています。

パラジウムの主な特徴は次の2つです。

1.融点が低い
パラジウムはほかの貴金属のタングステン(3,387℃)やタンタル(2,996℃)と比較しても、1,555℃という低い融点を持つ金属です。鉄とほぼ同じ温度で溶ける特性を持っているため、加工がしやすい特性があります。
そのため、工業用途や宝飾品などに幅広く利用されています。

2.水素を内部に取り込める
パラジウムは、非常に高い水素吸蔵能力を持つ金属です。「吸蔵」とは、物質がほかの物質を吸収して内部に取り込むこと。
つまり、パラジウムは水素分子を吸収しやすく、水素の貯蔵や触媒としての役割を果たしているのです。
その量は体積の935倍に相当するため、水素の貯蔵や分離、触媒として今後も期待されている貴金属です。

純度の高い水素を生み出すことによって、私たちの生活では半導体や燃料電池、たとえば家庭用燃料電池「エネファーム」や二次電池(ニッケル水素電池)にも活用されています。

■ ほかの貴金属との用途の違い

貴金属といえば金や銀、プラチナが有名ですがそれぞれ用途が異なります。
金は主に宝飾品や貨幣、金融商品などで使用されます。
一方、銀やプラチナ、そしてパラジウムは自動車産業や医療機器、触媒などの産業用途がメインです。
ここでは、パラジウムが持つ用途やほかの貴金属との違いをご説明します。

まず、パラジウムは自動車の排気ガス中に含まれる有害物質を取り除くために、使われている触媒のひとつです。
2017年のトムソン・ロイターGFMS社の調査によれば、パラジウムの消費量のうち、約77%が自動車排ガス触媒の材料として使われていたことがわかっています。
プラチナも同様の触媒効果を持ちますが、その希少性と価格の高騰から、自動車産業ではパラジウムへの移行が進んでいます。

また、パラジウムの用途としては、歯科治療における銀歯も有名です。
銀歯は、一般的にパラジウム20%・金12%を含む金銀パラジウム合金でできています。
歯科治療には、銀歯以外にもプラスチック、セラミック、金歯などの被せ物や詰め物の材料にも使われます。

ただし、銀歯に使用される金銀パラジウム合金を認めているのは日本だけです。
パラジウムは金属アレルギーを引き起こしやすいため、多くの国が歯科業界においてパラジウムを含まない合金の使用を推奨しています。

2. パラジウムの今の価格は?

パラジウムの特徴や用途がわかったところで、気になるのはパラジウムの今の価格ではないでしょうか。

パラジウムの地金価格は市場で常に注目されており、その値動きは産業界や投資家に影響を与えています。
なお、現在のパラジウムを含む貴金属の買取価格は次のとおりです。

パラジウム5,478円
12,878円
150円
プラチナ5,364円

続いては、これらの価格について、金とプラチナを比較対象に掘り下げていきます。

■ 価格を比較する

金はほかの貴金属と比較しても高値がついており安定した資産として有名です。
一方で、パラジウムの価格も近年急騰しています。
理由としては、ガソリン車の需要増加や、パラジウムの主要産出国であるロシアに対するアメリカやEUからの経済制裁などが影響しています。

今後も電気自動車の普及が進む見込みですが、ガソリン車は依然として重要なエネルギー源です。
そのため、ロシアとEU・アメリカの緊張関係が続く限り、パラジウムの価格高騰が続くと予想されます。

■ プラチナと価格を比較する

プラチナとパラジウムはどちらも銀白色の貴金属で似た特徴を持っており、買取価格の差も小さいです。
しかし、貴金属としては主にふたつの違いがあります。

1.硬さ
プラチナとパラジウムの間には、硬さに関する顕著な違いがあります。一般的に、パラジウムの方がプラチナよりも硬いです。耐久性に優れているため、日常的に使用する指輪やネックレスなどに向いています。

2.重量
プラチナとパラジウムは、重さについても違いがあります。同じ体積を持つプラチナとパラジウムを比較すると、パラジウムの方が軽量です。したがって、アクセサリーや銀歯の装着感や快適性がメリットです。

3. パラジウム投資を想定する

パラジウムはレアメタルのひとつです。
なお、レアメタルとは、非鉄金属の中でも産出量が少なく、需要が非常に高い希少な金属のことを指します。
そのため、投資家の間でパラジウムは注目を集めているのです。
最後に、パラジウムは投資に活用できるのかどうかをみていきましょう。

■ パラジウムにはコインもある

パラジウムは非常に多様性に富んだ貴金属です。
すでにお伝えしたとおり、パラジウムは自動車の排ガス浄化装置や電子部品の材料として使われる金属として知られています。
しかし、指輪やネックレスなどのアクセサリーやコインとしても、パラジウムは一定の需要を持っているのです。

パラジウムはプラチナの「割金」という硬さや加工性を調整し、色調を作るために添加するものとして利用され、主に強度や色味の調整に使われます。
たとえば、「Pt900」という表記は、プラチナとパラジウムを9:1の割合で混合していることを示しています。
また、パラジウムはホワイトゴールドやシルバーアクセサリーの割金としても活用されており、傷がつきにくい特徴から、最近ではパラジウム100%の結婚指輪も人気です。

そして、パラジウム製のコインも存在します。
具体的には、アメリカ イーグルコイン(1オンス)は25万円以上、メイプルリーフ(50ドル)は38万円という価格がつけられています。

これらのコインは、パラジウムの高い価値を反映しており、コレクションや投資の対象として、愛好家によって取引されているのです。

4. 希少なパラジウムの投資はコインもおすすめ

パラジウムは貴金属の市場において需要が増え続けており、その価格も着実に上昇しています。
このため、将来的なリターンを期待する投資家にとっては魅力的な選択肢といえます。

さらに、パラジウム製のコインは、美しいデザインや希少性からコレクターの間で高い人気を誇ります。
これらのコインは、投資だけでなくコレクションとしても楽しむことができます。
また、パラジウム市場は今後も拡大が見込まれるため、投資初心者にとってもチャンスです。

そのため、コインという手軽な資産から検討してみてはいかがでしょうか。
投資に興味を持つ初心者の方から経験豊富な投資家まで、パラジウムは今後いっそう注目の的になるでしょう。

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