金の現物投資で資産を守る！初心者向けにメリット・デメリットを解説

1. 金現物投資の基本

金投資と聞くと、難しそうと感じてしまう方もいるかもしれません。
しかし、金現物投資は、実は初心者でもはじめやすい投資方法のひとつです。

この章では、金投資の基礎知識を解説していきます。
金投資の疑問を解消し、一歩踏み出すためのヒントをお届けします。

■ 金現物投資とは何か？

金の現物投資とは、実物の金を購入する投資方法です。
具体的には、金貨や金地金（インゴット：精製した金属を鋳型に流し込んで固めた金の塊）などが、金現物投資に含まれます。

これらの金製品は、価値が安定しているため、長期間にわたって価値を保つことが期待されます。
その理由は、金は希少で需要が高いためです。
また、経済が不安定な時期やインフレーションに対する備えとしても利用されます。

金貨は、各国が発行する金製の貨幣です。
歴史的な価値や美術的な価値も持つため、コレクターズアイテムとしても人気があります。

一方、金地金は純度の高い金が棒状に加工されたものです。
金貨と違い金としての価値を追い求めたもので、より純粋な金の価値で取引されます。

しかし、金の現物投資には危険が伴うことも否定できません。
たとえば、保管場所の確保や盗難のリスクが考えられます。
また、金の価格は市場の動向に左右されるため、資産額が減少する可能性もあります。

初心者の方は、これらのリスクを十分に理解したうえで、慎重に投資を検討することが重要です。

■ 金地金・金貨はどこで購入できる？

金地金や金貨は、いくつかの方法で購入できます。
まず、金地金であれば、貴金属店や製錬業者の直営店、地金商、宝石商、銀行、鉱山会社、デパートなどが一般的な購入先です。
金貨であれば、コインショップや地金商、貴金属専門店などで購入できます。

これらの場所では、信頼性の高い金製品を取り扱っており、品質や純度が保証されています。
また、購入後の保管サービスを提供している場合もあるとのこと。

また、オンラインショップも便利な購入方法です。
多くの貴金属販売業者がオンラインで金地金や金貨を販売しており、自宅にいながら簡単に購入することができます。

ただし、オンラインで購入の際には、信頼性のある業者を選ぶことが重要です。
口コミや評価を確認し、詐欺などに注意しましょう。

■ 純金積立や投資信託との違いは？

純金積立と投資信託は、どちらも資産運用の手段ですが、いくつかの点で異なります。

まず、純金積立は、一定の金額で定期的に金を購入し、少量ずつ積み立てていく方法です。
保有する金は現物資産であり、値動きに左右されにくいという特徴があります。
主に、証券会社で取り扱っており、オンラインで手続きが可能です。

しかし、売却時には利益に対して譲渡所得税がかかるため、税金面を考慮する必要があります。

一方、投資信託は複数の資産に分散投資する金融商品で、リスク分散が可能です。
株式や債券、不動産、さらにはETF（上場投資信託）や金先物取引といった多様な資産に投資することができます。
その中でも、ETFや金先物取引は、市場で取引されるため、流動性が高く、短期売買に適しています。

しかし、これらは価格変動が大きいうえに高度な知識が必要なため、初心者にはリスクが高い投資となることが少なくありません。

純金積立は、少量からはじめられるため初心者にも取り組みやすいですが、投資信託と比較するとリターンが限られる可能性があります。
投資信託は、多様な資産に投資することでリターンの可能性を高めますが、その分リスクも増加します。

初心者であれば、リスクを抑えた投資信託や少額からはじめられる、純金積立が向いているかもしれません。
両者の違いを理解し、自分の投資目的に合った手段を選ぶことが重要です。

2. 金現物投資のメリット

金投資は、なぜこれほどまでに多くの人から注目されているのでしょうか。

それは、金が持つ独自の特性と、多様なメリットがあるからです。
ここからは、金現物投資の具体的なメリットを解説します。

■ 株式投資と併用できる

金現物投資は、株式投資と併用することで、ポートフォリオ（金融商品の組み合わせやその比率）のリスク分散に大きな効果をもたらします。
これは、金と株式の価格が逆相関の関係にあることが多いためです。

具体的には、経済が不安定な時期や株式市場が下落する際に、金の価格が上昇する傾向があります。
これにより、株式投資の損失を金の価値上昇で補うことができ、全体のリスクを軽減できるのです。

また、金は長期的に価値を保ち続ける特性があるため、株式市場の変動に対するヘッジとしても有効です。
ポートフォリオに金を組み込むことで、経済の不確実性に対する耐性を高めることができ、安定した資産運用が可能となるでしょう。

このように、金現物投資は株式投資と併用することで、リスク分散の効果を高め、投資全体の安定性を向上させるメリットがあります。

■ 価値の安定性がある

金現物投資の大きなメリットのひとつは、その価値の安定性です。
金は歴史的に見ても、長期間にわたってその価値を保ち続けてきました。

これは、金が限られた資源であり、供給が制限されているためです。
そのため、金はほかの資産と比較して、経済の不安定な時期やインフレーションの影響を受けにくい特性があります。

また、金は世界中で広く認知され、取引されているため、国際的な資産価値としても高い評価を受けています。
これにより、金現物投資は、通貨の価値が下落するリスクや、株式市場の変動に対するヘッジとして有効です。

特に、経済危機や地政学的リスクが高まる時期には、金の需要が増加し、その価値が上昇する傾向があります。
こうした点から、金現物投資は資産価値の安定を図るうえで非常に有効な手段と言えるでしょう。

■ 将来的な価値上昇の可能性

金現物投資のメリットのひとつに、将来的な価値上昇の可能性が挙げられます。
その理由は、金の埋蔵量が限られているためです。
地球上で採掘できる金の量は限られており、新たな鉱山の発見や採掘技術の進展にもかかわらず、地球全体の金の埋蔵量は徐々に減少しています。

したがって、金の埋蔵量は有限であるため、世界的な需要が増加すると価格が上昇し、経済の不安定やインフレーションの懸念が高まるとさらに価値が上がる可能性があります。

つまり、金の現物を保有することで、将来的な価値上昇を見込んで資産を増やす機会が得られるのです。
こうした要因から、金現物投資は、将来の資産価値の増加を期待する投資手段としても魅力的だと言えます。

3. 金現物投資のデメリット

金現物投資には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。
特に、初心者の方にとっては、これらのデメリットを理解し、リスクを十分に認識することが重要です。
ここからは、金現物投資に伴う具体的なデメリットについて解説しますので、投資判断の参考にしてください。

■ 保管料のコストがかかる

金現物投資のデメリットのひとつに、保管料のコストがかかる点が挙げられます。
金は貴重な現物資産であるため、盗難のリスクを避けるためには、安全な保管方法が必要です。

しかし、自宅での保管は安全面での不安が残るため、銀行の貸金庫や専用の保管サービスを利用することが一般的です。
これらの方法では、保管料や手数料が発生します。

たとえば、銀行の貸金庫を利用する場合、年間の保管料がかかり、金の価値が上昇しても、下降してもそのコストは固定されます。
また、専用の保管サービスを利用する場合も同様に、月額や年間の手数料が必要です。
これらの保管コストは、長期的に見れば無視できない金額となる可能性があり、金現物投資のリターンを削減する要因となり得ます。

さらに、金の保管方法によっては、保険料も追加で発生することがあります。
これらのコストを総合的に考慮すると、金現物投資はほかの投資手段と比較して、維持費が高くなる可能性が否定できません。
したがって、金を保有する際には、保管料を含めたコストを十分に考慮し、最適な保管方法を選ぶことが重要です。

■ 流動性が低い

金現物投資のデメリットのひとつは、その流動性が低いことです。

流動性とは、資産を現金に変えるまでの容易さを指します。
たとえば、株式は市場で簡単に売買できるため、流動性が高い資産とされるとのこと。
しかし、金地金や金貨は、売却する際に手続きや時間がかかることが多く、流動性が低いとされます。

株式は、証券取引所で簡単に売買できるため、短時間で現金化が可能です。

しかし、金現物を売却する場合、信頼できる貴金属店や地金商を探す必要があります。
また、売却価格は市場価格に基づきますが、買取業者によっては手数料がかかることがあります。
これにより、売却時に得られる金額が減少する可能性が少なくありません。

さらに、金現物は市場の需要と供給に影響されるため、売却のタイミングによっては希望する価格で売却できないこともあるのだとか。
特に、急いで現金化する必要がある場合、流動性の低さがデメリットとなります。

■ 価格変動のリスクがある

金現物投資のデメリットのひとつは、価格変動のリスクがある点です。
金は一般的に安全な資産とされていますが、それでも価格は一定ではなく、投資対象としてのリスクを含んでいます。
金の価格は、世界経済の状況や地政学的リスク、金利の変動、為替の動きなど、さまざまな要因によって変動します。

たとえば、金利が上昇すると、投資家は利息を生む金融商品に資金を移動させる傾向があるとのこと。
その結果、金の需要が減少し、価格が下落する可能性があるのです。

逆に、経済危機やインフレーションの懸念が高まると、金の需要が増加し価格が上昇することもあります。
しかし、その変動幅は予測が難しく、短期的な投資においては大きなリスクとなることが否定できません。

このように、金の現物投資には価格変動リスクが伴い、安定的な利益を求める投資家には不安要素となる可能性があります。
価格の変動を理解し、リスクを適切に管理することが、金現物投資を行う際の重要なポイントです。

4. 投資経験が浅い初心者には金現物投資がおすすめ！

金現物投資は、投資経験が浅い初心者にとって非常に有力な選択肢と言えます。
なぜなら、金はその安定性が高く評価されており、長期的な価値保全に優れているからです。

経済や政治の不安定な時期にも金の価値は比較的安定しており、リスクを分散する手段としても役立ちます。
初めての投資であっても、金の現物を手に取ることができるため、実感を持って投資を行うことができます。

もちろん、金現物投資には保管料や価格変動のリスクもありますが、これらのリスクを理解し、適切に対処することで、安定した資産形成が可能です。
そのため、投資をはじめる前に、しっかりと情報収集を行い、自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、慎重に判断することが大切です。