エリザベス女王のコインは希少価値！？買取価格の高い種類を解説

1. エリザベス2世：コインに刻まれた歴史

エリザベス女王コインの価値を知るうえで、エリザベス2世がイギリス国民にとってどのような存在であったか、その歴史を知ることは非常に大切です。
また、彼女が亡くなった今後、コインの価値がどのように変化していくことが予想されるのかもあわせて確認しておきましょう。

■ イギリス国民の象徴

25歳の若さで即位し、歴代最長となる約70年もの間、英国君主として在位していたエリザベス2世。
そんな彼女はイギリス国民の象徴でもあり、長い在位期間の中で、彼女の肖像を描いたコインが数多く発行されてきました。
エリザベス2世が「イギリス国民の象徴」とされる理由は、長い在位期間はもちろんのこと、彼女が英国君主として残した多くの実績も深く関連しています。

エリザベス2世が在位した1952年は、第二次世界大戦での経済的な疲弊や消耗からの回復が進む最中で、イギリスが国際的な地位を再構築するための非常に大切な時期でした。
社会的に大きな変革が求められるイギリスで、エリザベス女王は外交を通じ、イギリスの顔として存在感を発揮してきました。
加えて彼女は慈善活動や公式行事にも積極的に参加し、公務を通じて国民と密接に関わっています。

このような『国民のために尽くす』彼女の姿勢は、イギリス国民の尊敬の対象となり、女王への敬意や親しみから彼女の肖像を使用したコインが多く採用されてきたのです。

■ 2022年に死去、今後のコインはどうなる？

ユーモアにあふれた人柄とその功績から世界中にファンを持つエリザベス2世ですが、2022年に96歳で崩御されました。
一般的に現在即位している君主の肖像がコインの絵柄に採用されるケースが多く、すでにブリタニア金貨やメイプルリーフ金貨はエリザベス女王の絵柄からチャールズ3世の絵柄に切り替わっています。
このことから、今後発行される新コインも新たな国王であるチャールズ3世の肖像が採用される可能性が高いと予想されます。

もちろんエリザベス女王が世界に与えた影響や人気は絶大であり、今後彼女の肖像を使用したコインが再び発行される可能性はゼロではありません。
しかし発行頻度や枚数は年々減少していくと推察されるため、エリザベス女王コインは今後さらに希少価値が高くなっていくと考えられます。

2. 買取価格の高いエリザベス女王コインの種類

エリザベス女王コインの価値には、状態の綺麗さや年代以外にも発行枚数やデザインの人気度合いが大きく関係しています。
中でも希少性が高く、買取価格の高いエリザベス女王コインをいくつかご紹介します。

◆ 1980・82年 イギリス エリザベス2世 5ポンド金貨

1980年から1984年までの4年間のみ発行された若き日のエリザベス女王が描かれた金貨は、通称『ヤングエリザベス』と呼ばれ、エリザベス女王コインの中でも知名度が高く、人気のコインの1つです。
表面にはエリザベス2世、裏面には竜と闘う聖ジョージの勇ましい姿が描かれています。

このコインは年ごとに発行枚数が異なり、特に1982年は2,500枚しか発行されていないため、希少価値が高いとされています。

初年度となる1980年には10,000枚発行されていますが、その多くが近年金価格が上昇した際に溶解されてしまいました。
現在綺麗な状態で残っている1980年物のコインは数を減らしており、希少性は今後も上がっていくと予想されます。
買取価格の相場は、発行年数や状態によっても変わりますが、90万円～100万円程度となります。

◆ 1999年 エリザベス2世 5ポンド金貨 ダイアナ妃追悼記念

1997年にフランスのパリで不慮の事故により急逝したダイアナ元妃を追悼するため、その2年後である1999年にイギリス王立造幣局によって発行された記念コインです。
表面にはエリザベス2世、裏面にはダイアナ妃の横顔の肖像がそれぞれ描かれています。

上品でエレガントながら、明るくチャーミングな人柄でイギリス国民のみならず、世界中でダイアナ・フィーバーを巻き起こしたダイアナ元妃。
そんな彼女への愛と敬意を示すものとして発行されたこのコインは、1999年のみの限定発行となり、わずか7,500枚しか発行されていません。
そのため市場に出回っている数も少なく、今なお愛され続けるダイアナ元妃の人気もあいまって買取価格が高い傾向にあります。
買取価格は30万円～55万円程度が相場となります。

◆ 2016年 エリザベス2世 ビアトリクス・ポター生誕150年記念 ピーターラビット

ピーターラビットの作者であり、イギリスを代表する絵本作家ビアトリクス・ポターの生誕150周年を記念し、イギリス王立造幣局から発行された記念金貨です。
表面にはエリザベス2世の横顔の肖像、裏面には正面を向きながら人参を食べるピーターラビットが描かれています。

2016年と比較的最近に発行された記念コインですが、限定500枚と非常に数が少なく、世界的にファンが多いピーターラビットがデザインされていることから、大変人気が高いコインです。

◆ 番外編：34億円の価値がある世界に1つの記念コイン

最後にエリザベス女王コインで最も高価とされているコインをご紹介します。
それは一点ものの大変貴重なコインで、英国君主として歴代最長の70年間在位したエリザベス女王を祝うため、王室の許可を経て構想されました。
残念ながらコインが完成する前に女王は亡くなられてしまいましたが、女王の死から1年を迎える前に完成し、『世界一高価なコイン』としてイギリスメディアに報じられています。

コインの直径は24cm以上もあり、バスケットボールとほぼ同じ大きさです。
重さも約4キロあり、女王の肖像が描かれた純金のコインの周りには、6,426個ものダイヤモンドが敷き詰められています。
法的な通貨として使用することはできませんが、およそ34億円の価値があるとされています。

3. エリザベス女王コインが人気の理由

数あるコインの中でも、高い人気を得ているエリザベス女王コイン。
主な人気の要因は『コレクター心をくすぐる種類の豊富さ』『投資としての有用さ』『インテリアやアクセサリーとしての需要』の3つが挙げられます。
それぞれ具体的に見ていきましょう。

■ コレクター心をくすぐる種類の豊富さ

エリザベス女王コインが高い需要を得ている理由のひとつに、バリエーションの豊富さが挙げられます。
エリザベス女王の在位期間、各時代の女王の肖像を刻印したさまざまな種類のコインが発行されてきました。
使われている素材やデザインも多岐にわたり、発行年や発行枚数によって希少価値が変わることも、コレクター心をくすぐっています。

また、エリザベス女王コインは特別な出来事を記念して作られていることが多く、コインにはその出来事を思い起こさせる歴史的な建物や人物が刻まれています。
歴代のコインを眺めることで、イギリスの歴史や伝統に思いをはせることもできるでしょう。
多彩なデザインから自分好みの金貨を見つける楽しみもあり、趣味としてコイン収集を楽しむことができるのも魅力の1つです。

■ 素材価値+希少価値、投資としても有用

エリザベス女王コインは、希少価値だけでなく素材価値も高いため、投資対象としても魅力的です。
金貨の主成分である金は、経済不安やインフレに対して安定した価値を保つため、長期的な資産保全に適しています。
加えて発行枚数が限られているエリザベス女王コインは、時間とともに価値が増すことが多く、投資家にとって長期的なリターンが見込めます。

投資用の金貨としては、オーストラリア造幣局が発行しているカンガルー金貨と、カナダ造幣局が発行しているメイプルリーフ金貨が有名です。
どちらも99.99%の純金製で品位が高く、素材としての価値もあります。

また、カンガルー金貨は毎年裏面のカンガルーのデザインが変わることからコレクター人気も高く、コレクション目的での需要から高値がつくことも。
現在は現国王であるチャールズ3世に切り替わっていますが、以前はカンガルー金貨やメイプルリーフ金貨にも、エリザベス女王の肖像が描かれていました。

品位の高い金貨は投資対象として優秀であり、エリザベス女王コインもその例外ではありません。
素材価値と希少価値の両方を兼ね備えたエリザベス女王コインは資産価値も高く、投資目的として高い人気を誇っています。

■ インテリアやコインネックレスとしても見栄え抜群

エリザベス女王コインは、見た目にも美しいデザインが施されているため、インテリアやアクセサリーとしても人気があります。
洗練されたコインのデザインや輝きは、どんな空間にも高級感を加え、インテリアの格を上げてくれるでしょう。

また、コインはそのまま額装して飾るだけでなく、ネックレスやブレスレットなどのアクセサリーに加工することも可能です。
上品な輝きを放つコインは、シンプルながらも高級感あふれるアクセサリーとして多くの人に愛されています。
豊富なデザインを持つエリザベス女王コインは、ギフトとしても重宝されています。

4. 長く愛されるエリザベス女王コインをコレクションに加えてみてはいかが

長きにわたり英国君主としてイギリス国民に奉仕してきたエリザベス女王。
イギリスを象徴する彼女のコインは、コレクション用としても投資用としても高い人気を集めています。

将来のための投資やコレクションとして、ぜひエリザベス女王コインをコレクションに加えてみてはいかがでしょうか。