メイプルリーフ金貨はどんな金貨? 知られざる魅力にせまる
2023 年金相場上昇中!
本日の買取価格は
14,545
円!
国内金貨投資を始めてみませんか?
みなさんはメイプルリーフ金貨をご存知でしょうか?
この金貨はカナダで発行された金貨で、今も多くの投資家の関心を集めています。
表面に彫られたエリザベス女王、またはチャールズ皇太子は、小さなコインにも関わらず、はっきりと表情が読み取れるほど精密に彫られています。
そして裏面にはカナダの国旗に用いられているカエデの葉が刻まれています。
繊細なデザインと純金の輝きはとても美しいですが、メイプルリーフ金貨の魅力は表面と裏面の彫刻だけではありません。
本記事ではメイプルリーフ金貨をすでに知っている人でも知らないであろういくつかの魅力をご紹介します。
1. メイプルリーフ金貨とは
メイプルリーフ金貨は、1979年から現在までカナダの造幣局で発行されている金貨です。
裏面のカエデの葉はデザイナーのウォルター・オット氏が、この金貨のために考案し、カナダ造幣局が採用しました。
メイプルリーフ金貨は当初、金貨投資で人気があった『南アフリカのクルーガーランド金貨』に代わる金貨を目指してつくられました。
クルーガーランド金貨の金の純度は91.67%、つまりK22で純金ではありません。
一方メイプルリーフ金貨は99.99%の純金でつくられています。
純度が高いほど金の価格で売却した時に値段が高くなるので、同じ大きさでもクルーガーランド金貨よりメイプルリーフ金貨のほうが高く売れます。
カナダ造幣局は世界初の純金の金貨をつくり、投資価値のある金貨として、メイプルリーフ金貨を世界に広めようと考えたのです。
その計画が成功したかは現在の知名度でわかります。
造幣局のあるカナダだけでなく、遠く離れた日本でも投資用の金貨として売られるほど、名前が広く知れ渡っています。
そんなメイプルリーフ金貨ですがデザインではなく重さによって種類がわかれています。
1トロイオンス、1/2トロイオンス、1/4トロイオンス、1/10トロイオンス、1/20トロイオンスの5種類が現在まで発行されています。
トロイオンスとは重さの単位です。
日本は基本的に重さの単位はグラムで表しますが、1トロイオンスと1グラムは重さが異なります。
1トロイオンスは約31グラムです。
メイプルリーフ金貨をグラムで表すと、約31グラム、約15グラム、約7グラム、約3グラム、約1.5グラムと変換できます。
重さで種類を分けることで、投資の選択肢を増やせます。
基本は金貨の重さが重いほうが、金価格で取引した際に軽い金貨より高値で取引できます。
しかし分散投資などで投資にあてる資金が少ない場合、1トロイオンスの金貨が買えない場合も出てくるでしょう。
軽い金貨は売却時の価格も低くなりますが、安く手軽にコイン投資をはじめられるといったメリットがあるのです。
■ 額面と金の価格 どっちが売ったら高くなる?
またメイプルリーフ金貨は重さの違いにより額面の金額も異なります。
額面とは金貨にはじめから設定された金額のことです。
1トロイオンスの『50カナダドル』や1/2トロイオンスの『20カナダドル』がそれに該当します。
額面金額は地金の価格とは関係ありません。
額面か金の価格どちらが利益が出やすいか知る前に、まずはふたつの価格の違いについて解説します。
そもそも金貨には2種類の取引方法があります。
ひとつは銀行でほかの通貨と同じように両替する方法、もうひとつは買取店などで売買する方法です。
それぞれの取引方法の違いは、額面で取引するか、その時の金の価格で取引するかです。
もし仮に今の金の価格が1グラム1円だとしましょう。
金の価値が低いので、買取店で1トロイオンスの金貨を売っても、31円しか価値がありません。
次に額面が1万円と定められている場合はどうでしょうか。
金の価格が1グラム1円でも、この金貨を銀行で取引すると、金価格に関係なく額面の1万円で取引できます。
極端な例ですが、同じ金貨でも買取店の約320倍の価格が利益として手に入るのです。
これが額面金額が決まっていることの利点です。
しかし2024年現在は金の価格が高騰しているので、額面で取引するより、金の価格でメイプルリーフ金貨を売却したほうが価値が高いです。
1カナダドルが約112円なので、額面で1トロイオンスのメイプルリーフ金貨の額面を円で換算すると約5,600円です。
一方、田中貴金属によると2024年4月の金の価格は、1グラム約11,000円です。
すでにこの時点で、買取店で売却したほう高額な利益を出せるのです。
メイプルリーフ金貨のなかで最も軽い1/20トロイオンスでも、約1.5グラムあります。
金の価格が高騰している間は、額面金額より金地金価格で売却を考えたほうが良いでしょう。
ただし金地金の価格の売却には注意点もあります。
金の価格変動は簡単に予測できません。
今日は1万円超えの価格でも、明日になったら1グラム1円まで価格が下がる可能性もあります。
こうした例は滅多にありませんが、最悪の状況を想定して金貨投資を進めるのならば、額面の価値も保証されている金貨の購入を意識したほうが良いでしょう。
2. メイプルリーフ金貨につかわれた技術力
カナダ造幣局の社長兼最高経営責任者であるイアン・E・ベネットは、メイプルリーフ金貨について以下のように語っています。
「傑出したクオリティと革新的な製品を継続的に提供します」
この言葉のとおり、1979年から現在まで、メイプルリーフ金貨は革新的な変化を遂げました。
そうした変化にはカナダ造幣局の進化する技術力が強く関係していたのです。
次はこの投資の面で使いやすい金貨をつくった『カナダ造幣局』の技術に注目して、メイプルリーフ金貨の魅力をみてみましょう。
カナダ造幣局は1979年から現在まで、同じメイプルリーフ金貨をつくり続けていたわけではありません。
科学技術が日々進歩するように、造幣局の技術も年々進化しています。
その技術のひとつが『精密な機械を用いた偽造防止対策』です。
突然ですが、日本では偽造を防止するために、紙幣や硬貨に特別な技術が施されていることはご存知でしょうか?
千円札などの紙幣は表を上にして、前方に傾けることで、中央の円形の部分や左下の黒い雲のような形をした部分に、数字や絵柄が浮かび上がります。
『すかし』や『すき入れ』と呼ばれるこの技術は、造幣局でしか扱うことができません。
じつはメイプルリーフ金貨にも同じように、偽造防止の技術が使われています。
偽造防止の技術自体は、カナダ造幣局が発行していたカナダドル硬貨にも使用されていました。
しかし2013年以降、カナダドル硬貨に使われていた技術を、さらに強化してメイプルリーフ金貨に用いたのです。
2013年以降のメイプルリーフ金貨は、裏面のカエデの葉の茎の部分に、同じデザインの小さなカエデの葉が刻印されています。
中央のカエデの葉と同じつくりに見えますが、じつはこの小さなカエデの葉には、カナダ造幣局しか使えないレーザー技術が使われているのです。
肉眼では確認できませんが、小さなカエデの葉は、マイクロ単位で細かな波状に彫られています。
また葉の中心には同じ技術で、製造された年月の下二桁が刻まれています。
このような精密な刻印は、技術力が相当高くなくては実現できません。
メイプルリーフ金貨の裏面に施された上記の二点の技術は、カナダ造幣局以外では簡単に使用できない技術です。
たとえ似ている金貨を製造できたとしても、すぐに偽物とわかるほど高い技術力が用いられています。
■ レーザー技術だけじゃない 金貨に施された特別な技術とは
カナダ造幣局はレーザー技術以外にもうひとつ、特別な技術をメイプルリーフ金貨に施しています。
『BULLION DNA』と呼ばれる、デジタル分野の偽造防止対策です。
『BULLION DNA』の技術はレーザー技術のように、金貨の見た目に影響する技術ではありません。
この技術は金貨に組み込まれたセキュリティマークを認証機で撮影し、データベースと照合して真偽を判定できる仕組みです。
特別な認証機を保有していれば、誰でも簡単にメイプルリーフ金貨が本物か見分けることができます。
『BULLION DNA』は2014年以降のメイプルリーフ金貨に施されており、2013年のレーザー技術と合わせて、より高度なセキュリティ対策を実現しています。
ほかの金貨よりも革新的な金貨をつくりだしたこのふたつ技術は、メイプルリーフ金貨がセキュリティ面でも優れていることを世界に広めるきっかけにもなりました。
3. プレミア価格がつく特殊なデザイン
メイプルリーフ金貨の革新的な進化は、セキュリティ対策以外にもあります。
現在では記念金貨などで多く見られる『カラー技術』ですが、世界ではじめて色がついた金貨はメイプルリーフ金貨です。
メイプルリーフ金貨が発行されたばかりの時は、硬貨にカラー技術を施すことで、着色した部分が変色するといった懸念がありました。
せっかく美しく彩られた金貨が、数年でさびたように汚い色に変わってしまうことを、多くの造幣局が恐れたのです。
そんななか1992年にパラオ共和国で世界初の『カラー加工の銀貨』が発行されました。
なんとこの銀貨は、懸念されていた品質の低下が長期間確認されずに、着色を美しく保ち続けることができたのです。
上記の出来事を経て、カナダ造幣局は自身が発行しているメイプルリーフ金貨にカラー技術を取り入れようと計画しました。
カラー加工の方法は銀貨と同じです。
色をつけたい面にカラーの版を印刷し、金貨の上から着色しました。
そうして出来上がったメイプルリーフ金貨は、裏面のカエデの葉が赤紫色になり、よりカエデの葉が強調される仕上がりとなりました。
カラー加工のメイプルリーフ金貨は、今でも赤紫色が変色することなく存在しています。
しかし世界初のカラー金貨であるカラー版のメイプルリーフ金貨ですが、残念なことに現在は発行されていません。
カラー加工の金貨は1999年に、メイプルリーフ金貨誕生から20周年を記念してつくられた『1万枚』だけです。
それ以前も以降もカラー加工のものは発行されていないので、現在カラー加工のメイプルリーフ金貨を購入するなら、1999年に発行された金貨から探すところからはじめなくてはいけません。
カラー加工と同じく特別な仕様のメイプルリーフ金貨はまだあります。
たとえば裏面のカエデの葉が虹色に輝くように加工されたホログラム加工や、花火が描かれたものなどです。
どちらも限定的につくられた金貨で、ホログラム加工のほうは1999年、2001年、2009年の3年しか発行されていません。
このような短期間でしかつくられていない特別な金貨は、コレクターからのプレミア価格が上乗せされ、金地金で計算するよりも高価で取引できるケースもあります。
メイプルリーフ金貨は投資の面だけでなく、コレクションの面でも価値がある金貨なのです。
■ かなりレア 驚きの超巨大金貨
1994年にカナダ造幣局は1/15トロイオンスのメイプルリーフ金貨を発行しました。
1/10トロイオンスと1/20トロイオンスの中間の重さの金貨は、わずか1年しか発行されませんでした。
なぜこの金貨の人気がなく、短期間で発行が終わってしまったのかは当時の投資家にしかわかりません。
このようにカナダ造幣局は技術面だけでなく、大きさの面でも金貨への工夫を凝らしてきました。
しかし後にカナダ造幣局は、金貨の概念を覆すほどの金貨をつくったのです。
2007年にカナダ造幣局は、額面が100万カナダドルの3,215トロイオンスのメイプルリーフ金貨を発行しました。
直径は53センチメートルで、1トロイオンスの約18倍の大きさです。
わかりやすいようにグラムに変換すると、約100キログラムもあります。
この巨大なメイプルリーフ金貨は、発行当時4億5000万円の価値が付けられました。
それだけでなく、さまざまな世界記録が記された『ギネスブック』に、『世界一巨大な金貨』として登録されました。
残念なことに現在はさらに巨大なカンガルー金貨が、世界一巨大な金貨としてギネスブックに登録されています。
それでも2010年に日本に上陸した際はテレビで報道されるほど話題となり、メイプルリーフ金貨の人気を高めた出来事といえるでしょう。
4. たくさんの魅力がつまったメイプルリーフ金貨
発行当初のメイプルリーフ金貨の目的は『投資用の金貨をつくる』ことでした。
しかしカナダ造幣局の社長兼最高経営責任者であるイアン・E・ベネットの言葉にあるとおり、メイプルリーフ金貨は現在まで革新的な進化を遂げています。
投資家だけの需要を考えるのなら、純金のコインをつくるだけで良いはずです。
魅力を知った今だからこそ、カナダ造幣局は『世界中で人気のコイン』をつくりたいと考えていたことがわかります。
今までなかった純金のコインや、世界初のカラー加工の金貨、そして世界最大の金貨がつくられた当時の衝撃は相当なものだったでしょう。
今やメイプルリーフ金貨は時代の『最先端』で、『世界で一番流通している』コインにまで昇りつめたのです。