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知識ゼロでも解かるRSI
本ページでは、知っていれば金相場が読みやすくなるかもしれない「RSI」について、詳しく解説いたします。
RSIとは
RSI…Relative Strength Indexの略。日本語に訳すと「相対力指数」。株式用語。
アメリカのJ.W.ワイルダー氏によって考案されたテクニカルチャート(過去の値動きをグラフで表し、そこから今後の価格展開を予測する為の分析方法)のひとつで、過去X期間(Xは任意の設定値)の価格変動を測定し、相場の相対的な強さを表す指標のことです。
要するに、金の価格が、過去のある期間において「強い」のか「弱い」のかを数値で示すツールです。この数値が高いほど「強い」とみなされ、低いほど「弱い」とみなされます。
まだ具体的にイメージし辛いでしょうか。
例えば、あなたが友達と走る競争をしたとしましょう。あなたが連続で5回勝ったら、あなたの「勝ちの力」が強いと言えますよね?
一方で、5回のうち4回負けたら、そのときのあなたの「勝ちの力」は弱いと言えるでしょう。
RSIも同じように、価格が上がった日と下がった日を見て、「勝ちの力」と「負けの力」を計算します。そして、その結果を50%を中心にして0%から100%の数字で示します。一般的に70~80%以上で買われすぎ、20~30%以下で売られすぎと判断されます。
RSIを使うことで相場の過熱感を見ることが出来るのです。
RSIの期間設定
RSIの期間設定に決まりはありませんが、14日間が一般的です。これには、開発者J.W.ワイルダー氏のあらゆるものには「28日周期」があるという研究結果から、その半月である14日間が採用されている、という経緯があります。“本日の金相場解説”のRSI数値も、14日間で設定されたチャートからのものです。
RSIの計算方法
RSIは、過去一定期間の上げ幅(前日比)の合計を、同じ期間の上げ幅の合計と下げ幅の合計を足した数字で割って、100を掛けたものです。 計算式は以下です。
14日間の上昇幅の合計÷(14日間の上昇幅の合計+14日間の下落幅の合計)×100
【例】14日間の上昇幅の合計が100円、下落幅が50円とします。上記計算式に当てはめると、
『100÷「100+50」×100=66.6%』で、RSIは66.6%となります。
14日間の値動きを上昇と下落に分け、上昇が全体の何%だったかを求めるのですね。
いくら値上がったのか、値下がったのかはRSIでは判断できません。
RSIの使い方
RSIの基本的な使い方は、以下の2通りです。
①相場が買われすぎか売られすぎかを判断し、相場の過熱感を見る。
RSIは逆張りの目安として活用されるのが一般的です。「買われ過ぎ」=「金の売り時」、「売られ過ぎ」=金の買い時」と考えることができます。
②ダイバージェンス
時系列にそって株価の動きを表すチャートから、将来の値動きを予測する「ローソク足」という、また別のテクニカルチャートがあります。(簡単にご説明しますと、ローソク足は始値、終値、高値、安値の4つの値段をひとつの棒状で表すチャートです。)
RSIとローソク足を並べて見ていると、「ローソク足は直近の高値または安値を更新したのに、RSIは更新していない」といったように、二つの動きが逆行することがあり、これをダイバージェンス(逆行現象)といいます。
ダイバージェンスはトレンド(トレンドとは、株価が上昇しているか下落しているか、保ち合いで推移しているかといった株価の値動きのこと。株価の方向性を示すチャートの形状。)の転換を示唆するとされます。
例えば上昇トレンドでダイバージェンスが発生した場合は、下降トレンドへの転換が予想され売りサインと判断します。逆に下降トレンドでダイバージェンスが発生した場合は、上昇トレンドへの転換が予想され買いサインと判断します。
ダイバージェンスが発生したら、トレンド転換の可能性が高いと判断することが出来るのです。
RSIを参考にする上での注意点
RSIはレンジ相場(一定の範囲の中で、値動きが上昇及び下降を繰り返す、方向感のない状態を指します。
横ばい状態で需要と供給が拮抗している状態と言えます。)や穏やかなトレンドのときは機能しますが、強いトレンドや急騰・急落による激しい値動きがある相場ではうまく機能しないこともあります。
例えば、ダイバージェンスの項で説明しましたように、RSIはトレンド転換を分析しますが、強いトレンドが発生すると、そのまま価格が上昇する可能性があります。
買われすぎ(売り時)のサインが出ていても、更に相場は上昇することがあるのです。RSIの値は、「可能性」にすぎません。
RSIと上手く付き合いましょう
RSIの意味と読み解き方、金を投資目的で保有されている方にとって参考になる指標であることが、お分かりいただけたと思います。
しかしRSIも万能ではありませんので、その数値だけで判断せず、金相場に影響している市況や世界情勢など、様々な情報と合わせて、総合的判断の材料としていただくことをおすすめします。
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