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日本だけではなく世界からも支持を受けている江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎。現在彼の半生を描いた映画「HOKUSAI」も上映されており、再び注目が集まっています。そんななか、葛飾北斎生誕260周年を記念して公式カラー金貨が発行されることとなりました！いったいどんな硬貨なのか？また、北斎とはどんな人物だったのか？気になるポイントに迫ります。
葛飾北斎生誕260周年公式記念カラー金貨に取り上げられた作品は、遠くに富士山を望みその手前で荒波がしぶきをあげる、誰もが一度は目にしたことがあるはずの北斎の代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」。
その名画を高度なカラー技術によって色鮮やかに再現しています。また、それを取り囲むように美しい青海波が並び、黄金の輝きを放っています。
なお、裏面にはエリザベス2世の肖像画をレリーフ。
この金貨を発行するのは、英連邦クック諸島政府。さまざまな日本の記念コインを発行していることでおなじみの国ですね。
金貨はプルーフ仕様で、品位24K、重量15.5g、直径約50mm、額面100クックアイランド・ドル。発行枚数は限定260点というプレミア必至な数となっています。
また、この金貨は特注であつらえられた会津塗の展示屏風とセットになっており、“北斎の波”と“青海波”を金彩の蒔絵で表現した豪華仕様なのです。
飾ればまるでひとつの芸術品のような趣きがあります。
葛飾北斎が生まれたのは今から約260年前の江戸時代。6歳の頃より絵を描くことに深い関心を持ち、12歳のときには貸本屋の丁稚になり、そこでたくさんの本に触れて独学。
14歳の頃には木版彫刻師の徒弟となり木版印刷の技術を習得しました。
しかし18歳になった北斎は、自分のやりたいことは木版画ではないとし、絵師になることを目指します。
19歳のときに当時トップの浮世絵師・勝川春章に弟子入りし、本格的に絵の勉強をはじめるようになり、狩野派や唐絵、西洋画などあらゆる画法を学びました。
絵師としてのデビューは1779年（安永8年）、役者絵「瀬川菊之丞 正宗娘おれん」でした。
師匠には早くからその実力を認められており、黄表紙の挿絵や、錦絵、洒落本、春画の挿絵、肉筆美人画も経験しました。
しかし、師匠が67歳で死去したことで、北斎は勝川を離れます。
1795年（寛政7年）、北斎は尾形光琳・俵屋宗達を租とする一流の画派である「琳派」に加わり、「三代目俵屋宗理」を襲名。
とくに「美人画」に注力し、顔が細くてスラッとした優美な「宗理美人」を完成させます。
またこの頃、洒落本に代わって社会風刺や皮肉を盛り込んだ短歌と挿絵の本「狂歌絵本」や「狂歌摺物」が流行し、豪華な狂歌絵本や優れた摺物（すりもの）を宗理の名で多数発表しました。
一方で私生活ではお金がなく、1798年（寛政10年）「宗理」の画号をたった4年で人に売ってしまうのでした。
しかし、五月幟（のぼり）に中国の魔除けの神様である鍾馗（しょうき）を描くことで2両という大金を得てから、流派には属さず生涯画工を貫くことを決意。同年から「北斎宗理」「北斎辰政」の画号を用いるようになります。
1804年（文化元年）には「画狂人北斎」の画号を用いて、のちに重要文化財となる「二美人図」を発表。
また、本格的な「読本」の挿絵も手掛けるようになり「曲亭馬琴」「柳亭種彦」「十辺舎一九」と組み、一世を風靡するように……！
さらに、パフォーマンスアートも繰り広げ、音羽護国寺では120畳の大達磨を描いた「大画」を披露。
そうした行動をとった結果、北斎の名は江戸中に知れ渡ることになりました。そして、ついに1805年（文化2年）「葛飾北斎」の画号を用いるようになるのです
宗理期の享和年間に洋画に触れてきた北斎は、文化年間になって新たに脚光を浴びはじめていた長編小説、読本の挿絵へと仕事の中心軸を移していきます。浮世絵版画においても多彩な表現を用いるようになり、名所絵や戯画を発表。また、肉筆画の作品も最晩年と並んで多く手掛けており、美人画など数多くの名作を残しています。
1810年（文化7年）から画号を「戴斗（たいと）」に変え、絵の描き方を学ぶための「絵手本」の制作に力を注いでいきます。北斎の絵手本は徐々に対象が広がっていき、工芸職人向けのデザイン集、図案集という存在になりました。
絵手本は300あまり描かれ、それをまとめたものが後世に名を残す「北斎漫画」初編です。そのクオリティの高さが評判となり以降15編も刊行されるに至っています。さらに、海外でも「ホクサイ・スケッチ」の名前で大ベストセラーになり、“ジャポニズム”を巻き起こしたのでした。
そして還暦を迎えた北斎は、今度は「為一（いいつ）」の画号を名乗り、1831年（天保2年）に代表作で今回の金貨にも取り上げられた「富嶽三十六景」を発表します。
その後も何度も画号を変え、年老いてもなお絵への情熱は衰えることなく、亡くなる90歳まで筆を握り続けたのです。
ちなみに、90歳の生涯で北斎が引っ越しをした回数はなんと93回！部屋を片付けることをしなかったそうです。すべてのことを絵に注いだ人生だったのでしょう。
葛飾北斎生誕260周年公式記念カラー金貨についてお話をしましたが如何でしたでしょうか？記念銀貨の詳細は下記となります。
| 名称 | 葛飾北斎生誕260周年公式記念カラー金貨 |
|---|---|
| 発行国 | 英連邦クック諸島政府 |
| 鋳造 | ドイツ マイヤーズ造幣所 |
| 質量（g） | 約15.5g |
| 直径（mm） | 約50mm |
| 厚さ（mm） | - |
| 材質 | 金 |
| 品位（karat） | .9999金 |
| 額面 | 100ドル | 発行枚数 | 260点 |
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