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希少価値の高いアイテムである明治通宝を持っていて、売りに行きたいと考えている方はいらっしゃいませんか?
本記事では、そういった方に向けて明治通宝の種類や価値について解説していきます。
明治通宝の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください!
明治通宝とは、明治時代の初期に日本政府により発行された国家紙幣です。
この紙幣はそれまでに扱われていた紙幣と違い、初めて西洋式印刷の技術を用いて発行されたため歴史的紙幣としても知られています。
当初は日本ではなく、ドイツのフランクフルトで作られていたということから「ゲルマン札」とも呼ばれています。
ただ後には、一部の額面の明治通宝が日本でも発行されるようになりました。
明治通宝は現在の紙幣の原型となっていると言われており、日本全国に流通した初めての統一紙幣です。
全部で9種類の紙幣が発行され、そのデザインは現紙幣とは異なった特徴があります。
現紙幣のデザインが横型なのに対し、明治通宝は縦型にデザインされていました。
表面には縦に並んだ鳳凰と龍が左右対称に描かれ、中央部分には「明治通宝」の文字と額面が書かれています。
そして裏面には青海波や千鳥、孔雀といった絵柄が円形を組み合わせたような複雑な模様を形成しており、「大蔵卿印」という文字が赤文字で書かれています。
全9種類ある明治通宝はデザインが全て統一されており、額面によって色で区別されているのが特徴です。
明治通宝が発行され始める前は、日本国内にはいくつもの紙幣が出回っており、製造元がバラバラだったために統制が取れていませんでした。
また当時の紙幣は銅板印刷で発行されており、容易に偽造が可能だったために多くの偽札が出回っていました。
そこで、日本政府が偽造をされないための新たな貨幣制度として導入したのが、「円」や「明治通宝」です。
しかし旧紙幣を政府が回収し、明治通宝が広まっていくにつれ新たに問題が生じ始めました。それが紙幣の耐久性と新たな不正の増加です。
明治通宝は、ドイツで製造されていたことから洋紙を素材に用いていましたが、この素材が日本の気候と相性が悪かったのです。
日本特有の高温多湿な気候にさらされることで、色が変わったり劣化が早かったりなど耐久性に不安がありました。
また9種類ある紙幣はデザインもサイズも同じで、額面ごとに色が違うだけだったため、紙幣をより大きい額面の紙幣に偽造するという不正が増加していました。
これらが原因となり、1878年に廃止されてしまったのです。
9種類の明治通宝の価値について、種類別に紹介していきます。
100円券は、全9種類の中でも最も高額な額面を持つ明治通宝であり、その希少価値は高く評価されています。
当時に発行されたのはドイツでおよそ24,000枚だと言われており、9種類の紙幣の中では比較的少ない発行枚数です。
現存している実物は10枚もないとされているため、取引するとしたらかなりの高額になるでしょう。あまりにも希少なため、現時点で取引された実績はありません。
価値が高すぎるが故に、もし買取に出したとしても断られる可能性もあります。
50円券も100円券と同じように、額面が高額なため希少な紙幣とされています。
ただ50円券は発行枚数がおよそ23,000枚と最も少ない紙幣です。こちらの紙幣も現在まで取引実績は確認されていません。
もし査定に出したとしても断られる可能性があるほど、高い希少性があると言われています。
10円券は、日本とドイツ両方で発行されていた歴史があり、計2,700,000枚ほど刷られたと言われています。
希少価値が高いのはもちろんですが、過去に取引された実績もあり、現実的な額で査定されているようです。
現物の状態が良ければ、数十万円と高額での取引もあるようです。ただ明治通宝の材質は洋紙で劣化が激しいため、そういったケースはかなり珍しいと言えるでしょう。
5円券は取引実績のない紙幣を除いて、明治通宝の中で一番価値が高いとされている紙幣です。
その理由としては、5円券はドイツでしか発行されておらず、現存している実物は劣化が激しいものばかりだからです。
原形を留めているものはほとんどないとされており、保存状態が良い場合数十万円はくだらないとも言われています。そのため美品の希少価値は非常に高くなっています。
2円券は、最初ドイツだけで発行されていましたが、後に日本でも発行されるようになった紙幣です。
発行枚数は10,000,000枚以上とされ、現存している数は9種類の紙幣の中でも多いと言われています。
実際に取引が行われたことがある10円券や5円券と比べると、希少価値は下がります。しかしそれでも買取相場は数万円と高額です。保存状態によっては、さらに価値が上がるでしょう。
1円券は明治通宝の中で最も発行枚数が多い紙幣と言われており、日本でも多く印刷されています。
現存している実物の中には、保存状態の質が高い場合も多いため、他の紙幣と比べると希少価値はあまり高くありません。
ただそれでも数千円~10,000円以上といった額で取引されているため、古紙幣としての希少価値が高いことは確かです。
半円券は1円の半分の50銭という意味から、「50銭券」と呼ばれる場合もあります。
発行枚数が少なく、ドイツでのみ発行されていたため、5円券同様に現物は劣化が激しいものが多くなっています。そのため、希少価値という面では、1円券よりも高いでしょう。
ただ劣化が激しい分、取引価格は1円券と同等か、もしくはそれ以下になる場合もあります。
20銭券は、明治通宝の中で2番目に多く発行された紙幣です。日本では発行されておらず、全てドイツで発行されましたが、その発行枚数の多さが故に市場にも広く出回っています。
そのため、希少価値は他の種類より比較的低くなっていますが、状態次第では数千円~10,000円程度の価値になるでしょう。
10銭券は明治通宝の中で最も発行枚数が多い紙幣です。他の種類と比べると価値が低いですが、高ければ数千円で取引される場合もあります。
ただ明治通宝は偽装された紙幣も多く見つかっており、「本物だと思っていたら偽物だった」ということもあるので、注意しましょう。
明治通宝は多種多様に存在する古紙幣の中でも、偽装された紙幣が多く市場に広がっています。
明治通宝の中でも、特に2円券の偽造紙幣が多く出回っています。それは1878年に起きた「藤田組贋札事件」で2円券の偽造が行われたことが原因とされています。
藤田組贋札事件とは、当時1878年に日本各地から納められた税金の中に2円券の贋札が混じっているのが見つかり、発覚した事件です。
この事件は藤田組という政商組織と長州藩出身の井上馨が手を組み、犯行に及んだとされています。
しかし、贋札偽装の証拠は何も発見されていないなど実際の所は謎に包まれていることも多くあり、当時の政治的問題が絡んだ事件だとも言われています。
それだけにとどまらず、明治通宝は額面ごとの色にしか違いがないために、当時は様々な事件で紙幣が偽造されていました。
種類に関わらず、偽物が出回っているので気をつけましょう。
本物と偽物の間には、見分けられるポイントがあります。それは紙幣に書かれている「文字」です。
裏面に書かれた「大蔵卿印」の文字と明治通宝の中の「通」の文字が、本物と偽物で異なっています。
「大蔵卿印」と「通」の文字は、本来細くなる部分と太くなる部分を使い分けた字体で、細かく精巧です。
対して、偽物は太さに強弱がなく、一定の太さで書かれているのが特徴です。そのため偽物は、膨らんだような字体となっています。
明治通宝を高額で取引してもらうポイントは、保管方法です。
ここでは適した保管方法を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
劣化のしやすい明治通宝は保存状態が良ければ良いほど、希少性は高まります。
しかし、もし自分で実物を見つけても素人が安易に状態を良くしようとすると、逆に悪化させてしまう場合があります。
そこで、より高額で取引してもらうには状態の現状維持が最も重要です。紙幣専用アルバムなどを利用して、綺麗に保管し劣化の進行を抑えましょう。
明治通宝などの古紙幣は、どうしても破損しやすいため、保管する際や運ぶ際には注意が必要です。
また希少価値が高い古紙幣は、知識の薄い査定業者だと正しい価値をつけられない場合などがあります。売却を検討している方は、十分に調べた上で業者を選んでみてください。
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